著者
北原 圭 宮崎 健太郎
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2017-06-30

生物の際立った特徴の1つは、外部環境から取り込んだ栄養素を元に自己増殖を行う能力(システム)を有することである。この自己増殖能を最大限に発揮しているのは対数増殖期のバクテリアであり、たとえば大腸菌は至適条件下ではわずか20分おきに分裂増殖することが可能である。本研究では、バクテリアの自己増殖能をひとつの化学システムとして捉え、生命現象の根幹である自己増殖システムの効率(最大増殖速度)を極限まで高めることを目的とした実験を行うことを通して、効率的な化学システムとして完成された生物の姿を探求する。
著者
末永 光 宮崎 健太郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.100-106, 2010-02-01 (Released:2011-08-12)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

1970~80年代に様々な難分解性化合物を分解する微生物が発見されて以来,分解菌の分離と分解特性の評価が精力的になされてきた.1990年代に入ると,遺伝子の構造と機能の解析や新規化合物出現に対する微生物の適応・進化に関する機構解明,環境浄化への応用へと研究内容も多角化・深化してきた.今また,メタゲノム解析手法の登場により,個による分解から環境システムによる分解の理解へと,大きな転換期を迎えようとしている.