- 著者
-
宮本 久仁男
田中 英彦
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.9, pp.2602-2612, 2011-09-15
完全仮想化方式による仮想マシンモニタは,実ハードウェアを対象にしたオペレーティングシステムおよびアプリケーションを,修正を施すことなく実行させることが可能であるが,仮想マシン上でのソフトウェア動作を行わせたくないという要求もある.仮想マシン環境の検出を行う試みは,これまでも行われているが,それらは仮想マシンの機能上現れるデータや判定のための性能値を集めた特徴データベースを利用することが前提であったり,仮想マシンモニタ側の実装上の工夫で回避できたり,また判定が可能になるまでかなりの時間を要したりするなどの欠点を有する.本論文では,そのような特徴データベースを用いることなく,CPUによる命令実行時に現れる性能値の変動をとらえ,アプリケーションプログラムのレベルで利用可能な,効率的な完全仮想化環境の判別方法を提案し,その評価結果について述べる.