著者
原田 季栄 半田 哲夫 橋本 正樹 田中 英彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.2130-2147, 2012-09-15

従来のアクセス制御は,主体であるアプリケーションとそれがアクセスしようとするファイルなどの客体の組合せによってアクセス可否を判断していた.そのためアプリケーションの処理の内容およびアクセスを認めることにより情報システムに与える影響を考慮することができなかった.本稿では,アプリケーションが実行される状況に基づき,各アプリケーションが行おうとしている処理の内容を考慮することができるアクセス制御方式について提案する.提案方式を用いることにより,不正アクセスや誤操作などによるリスクを軽減することが可能となる.本稿では,提案システムの概念と実現方法について紹介し,そのLinux上の実装であるTOMOYO Linuxにおける評価結果を報告する.
著者
橋本 正樹 藤澤 一樹 宮本 久仁男 金 美羅 辻 秀典 田中 英彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.71, pp.393-400, 2007-07-20
参考文献数
16
被引用文献数
1

分散システムは、単一システムと比較して経済性、速度、冗長性、拡張性、柔軟性といった面で優れているため、その実現に向けて従来より多くの研究が行われてきた。しかしながら、それらの諸研究における実装の多くはミドルウェアやアプリケーションのような上位層で実現されているために権限管理の粒度が粗くなり、システム全体に対する適切な安全性確保を困難にしている。このため本研究では、ディペンダブルな分散システムの構築を目的としたシステムソフトウェアによる細粒度の権限管理方式を検討する。また、その実装としてCapabilityを利用した手法について検討する。This paper describes the use of operating system for the realization of distributed secure computing infrastructure. In particular, it describes a few resource management schemes for distributed environment, addressing the fine-grained protection and the principle of least privilege. These are compared each other in terms of the features they offer in the context of secure computing: Reference monitor concept, secure channel, authorization and naming. Finally, we suggest a prototype of our system and the future plan.