- 著者
-
中村 秀文
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.7, pp.789-796, 2009-11-13 (Released:2009-12-17)
- 参考文献数
- 6
適切な薬物投与のためには, 薬物動態・薬力学が臨床試験により評価され, 至適投与量が決定されていなければならない. 子どもはダイナミックな発達の過程を経るために, その薬物動態・薬力学も成人とは異なることが知られている. 現在の科学水準では過去のほかの薬のデータに頼って適切な薬物投与設計を行うことは困難であり, 個々の医薬品について必要な年齢で臨床試験を行い, 薬物動態と薬力学の評価をしなくてはならない. 残念ながら国内で小児治験がなかなか行われないために, わが国の添付文書には, 小児についての記載が不十分なものが多い. 今後わが国でも, 小児の治験環境づくりを, 学会・行政・製薬企業が連携して進めていく必要がある.