著者
松田 修三 小沢 和浩 但馬 文昭 宮武 直樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.854-857, 2014 (Released:2015-04-01)

本研究では、比較的に同様の気温環境のあるイチョウの樹に注目し、黄葉が始まる前の葉の色の違いによって、その後の黄葉の進み方に違いがあることを示すものである。イチョウは気温の低下とともに葉の色が緑から黄色と単純な変化をするため、気候環境を示す植物指標としての役割を持っている。調査対象のイチョウは東京の郊外都市の「多摩ニュータウン」周辺の街路樹と町の中心から少し離れた多摩美術大学に植栽されているものとした。これらのイチョウの葉を直接採取し画像データとして取り込み、さらにその周辺の気温も同時に測定した。葉の色はHSV表色系で表現し、採取した多くの葉のデータから黄葉の進行過程を示すための数式モデルを作成し分析を試みた。その結果、イチョウは葉の初期色相の違いがその後の黄葉の進行速度に関連していることが分かった。
著者
後藤 明美 松田 修三 小沢 和浩 坂本 憲昭 但馬 文昭 宮武 直樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.182, 2013 (Released:2015-01-24)

イチョウの黄葉は,秋の気温低下とともに進んでいくが,気温環境が黄葉の仕方にどのように影響を与えているかに関する定量的な分析は十分なされていない.本研究は、気候指標としてイチョウの黄葉を利用して気温環境を定量化し、都市の小気候区や微気候区の気温環境を把握することである.そのため東京都の多摩ニュータウン通りを観測のモデル地区として定め,毎年観測を行っている.2010年,2011年の観測データをもとに提案した黄葉の進行モデルは2012年についてもよい一致が見られた.このモデル式をもとに黄葉の進行の速さと黄葉期間の関係および黄葉の進行と気温との関係について前回の報告でおこなった.ここではイチョウの黄葉の様子を気候指標としてさらに明確なものにするために,観測地域におけるイチョウ周辺の建物や道路などの熱分布をサーモトレーサにより測定し,イチョウの黄葉と周辺の熱環境との関係について調べたので報告する.