著者
齋藤 良範 柴田 香緒里 安達 美穂 後藤 明美 阿部 明子 庄司 久美 正野 宏樹 荒木 隆夫 齋藤 幹郎 横山 紘一 後藤 敏和 菊地 惇
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.47-53, 2020 (Released:2020-10-07)
参考文献数
10

目的:心房細動(atrial fibrillation: AF)は,血栓性脳塞栓症の原因疾患であり予防には抗凝固療法が有用である.高齢者ほど有病率は増加するとされることから,健康診断受診者における有病率および治療の現状を把握し経年推移を検討した.方法:2017年度の受診者175,462(男性86,923,女性88,539)名の12誘導心電図(心電図)所見から,性・年代別のAF有病率および問診票より治療率を算出した.また,2013年から2017年度まで5年間のAF有病率の推移を検討した.結果:AF有病率は1.13(男性1.81,女性0.47)%で,加齢に伴い増加し各年代とも男性が高率であった.治療率は,60歳未満55.7%,60歳代68.8%,70歳代66.6%,80歳以上63.9%で,60歳未満で低かった.CHADS2スコアが1以上となる75歳以上では65.0%であった.AF有病率の経年推移は,2013年度1.03%,2014年度1.04%,2015年度1.10%,2016年度1.12%,2017年度1.13%と増加傾向が認められたが,男女別の年齢調整後の有病率には差を認めず受診者の高齢化が原因と考えられた.結論:AF有病率は1.13%で,男性に多く高齢になるほど増加した.60歳未満では未治療者が多く75歳以上でも35%は未治療であり,加療の必要性を啓発していく必要がある.
著者
後藤 明美 松田 修三 小沢 和浩 坂本 憲昭 但馬 文昭 宮武 直樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.182, 2013 (Released:2015-01-24)

イチョウの黄葉は,秋の気温低下とともに進んでいくが,気温環境が黄葉の仕方にどのように影響を与えているかに関する定量的な分析は十分なされていない.本研究は、気候指標としてイチョウの黄葉を利用して気温環境を定量化し、都市の小気候区や微気候区の気温環境を把握することである.そのため東京都の多摩ニュータウン通りを観測のモデル地区として定め,毎年観測を行っている.2010年,2011年の観測データをもとに提案した黄葉の進行モデルは2012年についてもよい一致が見られた.このモデル式をもとに黄葉の進行の速さと黄葉期間の関係および黄葉の進行と気温との関係について前回の報告でおこなった.ここではイチョウの黄葉の様子を気候指標としてさらに明確なものにするために,観測地域におけるイチョウ周辺の建物や道路などの熱分布をサーモトレーサにより測定し,イチョウの黄葉と周辺の熱環境との関係について調べたので報告する.