著者
加藤 健太 加納 政芳 山田 晃嗣 中村 剛士
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2014 (Released:2015-04-01)

解決すべきヒューマン・ロボット・インタラクションの問題の1 つに,ロボットの外観をどのようにデザインするのかという問題が挙げられる.ロボットの外観はインタラクションしているユーザの感情に影響を及ぼすことが先行研究によって示されており,その1 つが,森によって提唱された「不気味の谷」である.この「不気味の谷」に陥るのを回避しつつ好感の持てるロボットをデザインするため,本研究では"萌え"の要素を取り入れることを提案する.しかし"萌え"という概念が曖昧なため,対話型進化計算(Interactive Genetic Algorithm: IGA) を用いた3Dのデザインシステムを構築し,それを用いて"萌え"の概念を調査した.
著者
福島 邦彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.318-323, 2014 (Released:2015-04-01)

階層型多層神経回路「ネオコグニトロン」は,高いパターン認識能力を学習によって獲得していく.ここでは,新しい学習法を用いたネオコグニトロンについて論じる.ネオコグニトロンでは,多層回路の中間層で,特徴の抽出と統合を繰り返しながら次第に高次の特徴を抽出していく.中間層の学習にはadd-if-silent則を用いる.最上位層では,抽出された特徴をもとに内挿ベクトル法を用いてパターン識別を行なう.手書き数字認識において,学習パターン数や,内挿ベクトル法に用いる閾値が,ネオコグニトロンの認識率や回路規模(演算コスト)にどのように影響するかを論じる.
著者
服部 雄市 野津 亮 本多 克宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.420-425, 2014 (Released:2015-04-01)

本研究ではマルチエージェントシステムを用いて,SIRモデルを参考にした感染症の流行過程を仮想的に観察するためのシミュレータを作成した.SIRモデルは数理モデルの一つであり,感染症の流行過程を記述するモデル方程式である.このモデルをマルチエージェントシミュレータに用いる事により,創発的な現象である感染症の流行過程を表現することが出来る.またこのシミュレータでは,相互に関係しつつ,通勤経路,住居を決める.このシミュレータを通じて,都市モデルの違いにより感染流行の様子の違いを検証した.
著者
松田 修三 小沢 和浩 但馬 文昭 宮武 直樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.854-857, 2014 (Released:2015-04-01)

本研究では、比較的に同様の気温環境のあるイチョウの樹に注目し、黄葉が始まる前の葉の色の違いによって、その後の黄葉の進み方に違いがあることを示すものである。イチョウは気温の低下とともに葉の色が緑から黄色と単純な変化をするため、気候環境を示す植物指標としての役割を持っている。調査対象のイチョウは東京の郊外都市の「多摩ニュータウン」周辺の街路樹と町の中心から少し離れた多摩美術大学に植栽されているものとした。これらのイチョウの葉を直接採取し画像データとして取り込み、さらにその周辺の気温も同時に測定した。葉の色はHSV表色系で表現し、採取した多くの葉のデータから黄葉の進行過程を示すための数式モデルを作成し分析を試みた。その結果、イチョウは葉の初期色相の違いがその後の黄葉の進行速度に関連していることが分かった。
著者
井ノ口 弘昭 秋山 孝正 尹 禮分
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.146-151, 2014 (Released:2015-04-01)

地方都市では、モータリゼーションの進展などにより、公共交通利用者が少ない状況である。一方、高齢化が進行しており、自動車の運転が困難な高齢者が今後も増加すると考えられる。地方都市でのモビリティ確保のため、自治体によりコミュニティバスが運行されているが、利用者数が少ないなど、問題を抱えていることが多いのが現状である。本研究では、住民の意識構造を分析するためにアンケート調査結果を用いて需要推計モデルを構築する。このとき、アンケート回答者の中でコミュニティバスの利用者は少数である。このため、ラフ集合を用いることで、説明力の高いモデルの構築が可能となる。
著者
内田 裕 藤村 喜久郎 前垣 義弘
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.246-251, 2014 (Released:2015-04-01)

脳波の解析についてははっきりした分類法が確立していない.本論文では解析をするために必要な数値化に関しての検討事例を報告する.元の脳波データに対して時間的な差分処理をおこない,さらにその差分データをもとに一定時間間隔での平均を求めて数値化した例について報告する.
著者
原 和道 矢野 良和 江口 一彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.154-157, 2014 (Released:2015-04-01)

カメラ撮影による書籍を破壊しない文章情報の取得が利用されるようになった.撮影された書籍の文書画像は曲面による歪みを持つ.曲面歪みを持った画像ではOCRやマッチングの精度が低下してしまう.精度の低下に対して,平面である状態を再現することが対策として期待できる.そこで,本研究では対象曲面の断面形状を推定し平面展開を行う手法を提案する.
著者
大嶋 詩緒利 菊池 眞之 荻谷 光晴
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.670-673, 2014 (Released:2015-04-01)

近年,インターネットの普及により,カラー画像を用いたデジタルコミックが多くなっている.しかしながら,色覚異常者を考慮してカラー配色をされていない.本研究では,色覚異常でも見やすいデジタルコミックについて,心理物理学的に検討する.具体的には,通常配色のデジタルコミックと色覚異常を考慮した配色のものを鑑賞している時の視線を比較することで,見やすい配色について検討を行う.
著者
濱砂 雅人 伊藤 暢浩 幸塚 義之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.164-167, 2014 (Released:2015-04-01)

KinectはMicrosoftから発売されているセンサーデバイスである.Kinectには人間の骨格情報を取得する機能が搭載されている.しかし,イベント会場の様な人の往来が見込まれる環境では,誤った人物を追跡してしまう場合がある.理由として,センサーが遮られるとKINECTから追跡対象者の情報が失われるためである.本研究では,センサーが遮られる直前の追跡対象者の位置情報を保持することで一度Kinectのセンサーから消失した人物を再追跡するシステムを提案し,実装・検証を行った.
著者
加藤 亮 吉川 大弘 古橋 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.35-38, 2014 (Released:2015-04-01)

近年,ブログやtwitterなどの普及により,インターネット上には膨大な量の文書が投稿されている.しかし,それらの文書は無秩序に投稿されているため,所望の文書を効率的に検索することは容易ではない.そのため,多くの場合,人手により文書へのタグ付与がなされている.しかし,特にtwitterなど,タグが付与されていない文書もまだ多く,これら膨大な文書に対して管理者や投稿者がタグ付与を行うことは負担となる.そこで本稿では,潜在的なトピックを用いた文書への自動タグ付与システムを提案する.本稿では,実際のブログ文書に対してタグ付与実験を行い,提案システムの性能を評価する.
著者
中島 智晴 Julien Pierra
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.182-183, 2014 (Released:2015-04-01)

これまでにファジィ識別器をオンライン学習に対応させるための研究を行っているが,過去のパターンの取り扱いについては不明であった.本研究では,データストリーミングにおいて過去に得られた学習用パターンの取り扱いが識別性能に与える影響に関して調査研究する.
著者
家坂 光弥 内田 ゆず 米山 淳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.632-637, 2014 (Released:2015-04-01)

オノマトペは日本語での日常会話において、微妙なニュアンスを伝えるという重要な役割を担っている。 また、日本語は世界各国の言語の中でも特にオノマトペに富む言語であるため、世界各国の言語には日本語のオノマトペに対応する言葉が少ない。このため、日本語学習者にとって日本語のオノマトペの学習が必須なのは明らかである。既存の学習方法としては、72語のオノマトペをスキットを通して学習することができるwebサイトがある。しかし、日本語のオノマトペの学習方法は未だ確立されていないのが現状である。以上により、日本語学習者のオノマトペ学習を支援するシステムが必要である。本稿では、日本語学習者にとって最適なオノマトペ学習の方法を検討するため、日本人の擬音語・擬声語の判別方法や使用方法について調査する。さらに、擬音語、擬声語を検索、学習できるタブレット端末用のアプリケーションを開発する。
著者
佐藤 亘 橘 完太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.180-181, 2014 (Released:2015-04-01)

強化学習とは試行錯誤を通じて未知環境における最適行動を獲得する学習手法である.強い非定常性を持つ環境で強化学習を行う場合,学習に膨大な時間がかかってしまう可能性がある.この問題に関してさまざまな研究がされてきた.著者の知るかぎりではこれらの手法は環境変化の認知と環境への対応という2つの部分から構成されているという点で共通している.従来手法ではエージェントに環境変化を認知するセンサーを持たせ,最適行動と探索行動の切り替えを行っていたが,提案手法では確率分布としての状態価値をベイズ更新することにより環境変化時の最適行動と探索行動を確率分布に従って切り替えられるようになる.
著者
齋藤 真由美 土屋 直樹 中嶋 宏 江森 泰子 大坪 豊 金澤 亜依 金岡 秀信
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.67-70, 2014 (Released:2015-04-01)

基礎体温は排卵日や妊孕性を推定でき、かつ家庭での測定が簡便なことから、長きに亘り女性の妊娠を支援する生体指標として活用されてきた。近年では、ICTの進化により、簡便に測定し、その記録をネットワークに蓄積できる環境が普及したことで、その活用方法が広がりつつある。我々も月経開始日と基礎体温の記録に基づき、個々の女性の日常生活における健康管理を支援するアプリケーションを開発した。本稿ではこのアプリケーションが提供する、月経開始日および排卵日を予測する技術を示す。この予測技術は、複数の過去の月経周期日数、各々の基礎体温変動から推定された排卵日の実績を用い、次回の月経開始日、排卵日を予測するものである。加えて、本稿はこのアプリケーションで蓄積された膨大な月経周期と基礎体温の記録を用い、月経周期日数と年齢やBMIなどとの関係を示す。今後、このように蓄積されたデータから得る知見を活用することで、予測性能を向上させるだけではなく、女性の健康管理を支援するライフスタイルの提案といった新たな機能の実現が期待される。
著者
片山 淳貴 森 雄一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.710-713, 2014 (Released:2015-04-01)

本研究の目的はプログラミング言語Goによる既存のファジィライブラリの再実装と,並列プログラミングへの拡張である.Goはシステムプログラミングを目標の1つとした新たな言語である.GoはC言語と同様に実行可能バイナリを出力し,そして標準で並列プログラミングとガベッジコレクションをサポートしている.1995年の先行研究では,Fuzzy Description Language(FDL)というファジィ推論を書き易くするための文法を定義している.このFDLはファジィライブラリを呼び出すC言語に変換され,コンパイルされる.しかしこのファジィライブラリは最近のプログラミングに,十分対応できるとは言い難い.最近のコンピュータの処理速度の向上はマルチコアCPUによるものであり,そのためファジィライブラリにはその対応が必要である.よってGoによるファジィライブラリの実装を行う.
著者
福井 康弘 伊東 嗣功 箕嶋 渉 周田 ありす 工藤 卓
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.290-295, 2014 (Released:2015-04-01)

脳における高次機能の解明のためには,外界との入出力を備えた神経回路網において,発現する電気活動のパターン変化を定量的に解析する必要がある.この目的のため,生体の神経回路網に電流刺激を与え,刺激によって得られる応答パターンをもとに行動生成を行うニューロ・ロボットの開発を行っている.本研究ではロボットを制御する手法として,常時教師なし学習を行いながら行動生成する自己組織化マップ(SOM)を用いたニューロ・ロボットを開発した.ロボットのIRセンサが識別した障害物の位置に対応して刺激電極に電流刺激を行い,刺激に応答して発現した神経活動パターンを64次元の特徴ベクトルで表現し,これを20×20の2次元マップ空間に次元縮約した.学習の初期課程のみ教師あり学習を行い,刺激による応答を特定のノードに写像させることで異なる刺激点からの刺激誘発応答を2次元空間に分離して写像した.それにより,ニューロ・ロボットの衝突回避行動を生成することに成功した.
著者
林 勲 北 彩香 荻野 正樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.256-261, 2014 (Released:2015-04-01)

運動の学習やスキル獲得に関する計算論的神経回路モデルの研究において,川人らの内部モデルが有用である.内部モデルは,Allen-Tsukaharaの制御モデルを核とし,フィードバック制御とフィードフォワード制御の連合性により身体の動作を表現する.本研究では,内部モデルのフィードバック制御とフィードフォワード制御の切り替えを確認するため,被験者にコンピュータ画面に表示される番号と合致するボタンを押す課題を与える.反復提示が複数回行なわれるならば,フィードバック制御に対するフィードフォワード制御の比率が高くなり,そのフィードフォワード制御が顕著に表現化される.ここでは,この反復動作の視覚-運動課題における動作とその反応時間,脳波信号に注目して,これらの関連性について議論する.
著者
坂江 顕太朗 平塚 聡 エリック クーパー 亀井 且有
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.384-389, 2014 (Released:2015-04-01)

本論文では、作曲者の感性を反映させた楽曲を生成する自動作曲システムの構築のために、スケールとキーに着目し、それらから構成される旋律の旋律印象モデルを提案する。スケールには様々な種類が存在し、その種類によって聞き手に異なる印象を与える。しかし、スケールとは音づかい1つだけでも種類や印象が変化し、どのスケールに属するかは、曖昧である。そこで、任意的に生成された旋律が、どのキーと、どのスケールに属するかをファジィモデルにより定義する。その提案モデルについて、5種類のキーと5種類のスケールから構成される合計25個の旋律についての感性評価実験結果から得られた印象との比較実験を行うことにより、ファジィモデルの有用性を検討する。