著者
吉松 藤子 下村 道子 岡田 洋子 宮沢 礼子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.471-476, 1977-10-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1

1) 産卵直後の新鮮卵のゆで卵は, 卵殻がむけにくく, 保存によりpHは上昇し, 2日後よりむけやすくなった.2) 新鮮卵にアルカリ性ガス処理を行い, pHを上昇させると卵殻はむけやすくなった.調理的見地より, アンモニアガスの処理がよく, 5%のアンモニア水で10分間の処理で効果があった.貯蔵卵に酸性ガス処理を行うと, pHは低下し, 卵殻はむけにくくなった.3) クチクラを剥離して保存すると, 無処理卵より卵白のpHの上昇が速く, 卵殻は26時間でむけやすくなった.4) ゆで卵の卵白の色については, 新鮮卵は不透明で白く, 貯蔵やアンモニア処理によって明るさL値が低下した。卵白のpHとL値との問には, 高度に有意な負の相関関係がみられた.5) ゆで卵の卵白の硬さは, 貯蔵日数により, またアンモニアガス処理により硬くなった.卵白の保水性は, 貯蔵日数, アンモニアガス処理により増した.硬さ, 保水性ともに, アンモニアガス処理は1日貯蔵したほどの効果があった.