著者
小畑 弘己 宮浦 舞衣
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.3-14, 2021 (Released:2023-02-01)

本野原遺跡は,宮崎市の中心部から 50 km 西に位置する,約 4300 ~ 3500 年前の九州地方の縄文時代で最も大きな集落の一つである。我々は,36 回にわたるこの遺跡での 179,135 点の土器の「圧痕法」による調査によって,マメ類を含む 500 点以上の種実や家屋害虫の圧痕を発見した。この調査以前には植物性食料資源と推定されるものは本遺跡ではコナラ属の堅果類のみであった。X 線機器を用いた追加調査の結果,九州地方で最も多数のダイズやアズキなどのマメ類圧痕を得るとともに,九州初の多量マメ類混入土器を検出することができた。これらの発見は九州地方における最も初期のマメ類栽培と栽培植物の豊作に対する精神と儀礼的行為の出現の可能性を示す。さらに,土器胎土中の高密度のマメ類種子はそれらの粘土中への意図的混入を強く示唆している。
著者
小西 和彦 阿部 芳郎 佐々木 由香 宮浦 舞衣 小畑 弘己
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.117-120, 2022-09-25 (Released:2022-09-29)
参考文献数
9

We report that a nest of mud-dauber wasp, Sceliphron sp., was found in the Yagibara Shell Mound of Jomon cultural age in Chiba Prefecture, Honshu, Japan. This is the first record to be found nest of Aculeata from shell mounds. Though all Sceliphron species recorded from Honshu, Japan have been considered to be invasive insects, at least one species is considered to be native.