著者
宮田 修 原 正一 亀山 道弘
出版者
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

研究計画では「ノズルから放出した油に油処理剤を水中散布することによってO/W型エマルション群や油のみの場合の単一油粒、あるいは単一油粒の集まりである油粒群の浮上について連続的に実験・解析する。そのため、①水中散布の方法としてダクトによって油を集め処理剤を投入し油粒径が最小になる条件を求める。次に、②油粒径の異なるO/W型エマルションの終末浮上速度を求める。さらに、③油の放出条件による単一油粒や油粒群の粒径や形状の変化を含む挙動を明らかにする。最終的には、Re数、Eo数、M数の関係を整理し、油粒形状との関連を明確にできる図表を確立することにより油と油処理剤の最適混合に関する評価を行う。」としている。当該年度は、実験装置の配管や油ポンプの更新を行い。前述の「③油の放出条件による単一油粒や油粒群の粒径や形状の変化い含む挙動」について、A重油・C重油の実験を行った。その実験結果に基づき日本マリンエンジニアリング学会の第88回学術講演会において発表を行った。そこでは、「浮上する油粒の挙動が複雑であることの一つの理由は、油粒が浮上すると周囲に流れを起こし流れに巻き込まれながら浮上していくためであった。また、Re数やEo数とM数で実験結果を整理し、粘性や界面張力が浮上する油粒の形状や挙動に影響を与えている。」について示した。引続き、A重油とC重油を混合し動粘度や界面張力を変化させた実験実施中である。
著者
安藤 裕友 宮田 修 山口 良隆 高橋 千織 増田 光俊
出版者
独立行政法人海上技術安全研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

乱流中にポリマーを添加するにより摩擦抵抗低減が生じることは、トムズ効果として知られている。しかし、実際に摩擦抵抗低減を生じさせるメカニズムに関しては、まだ、十分に解明されていない。我々は、今までの研究成果よりポリマー同士がある一定の大きさに会合することによって効果が生じることを推定できている。そこで、ポリマー分子同士が積極的に会合するようなユニットをポリマーに導入・最適化することで、比較的低分子量のポリマーでも超高分子量に匹敵する会合体を形成させて、ポリマー会合形状と摩擦抵抗低減効果の関係を解明することを目的とする。本研究では、PEO(ポリエチレンオキサイド)、PAAM(ポリアクリルアミド)を用いて、会合が誘起するポリマーに対して二重円筒試験での抵抗低減効果を確認した。また、それぞれのポリマーの会合状態についてGPC-MALSやDLSを用いて測定を行った。その結果として、ポリマーの会合による摩擦低減効果の有効性を実証することが出来た。