著者
小野 正夫 城田 英之 藤田 勇 馬 驍 亀山 道弘
出版者
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

海難事故等で海底に沈んだ船舶に搭載された貨物油や燃料油は、重大な環境被害をもたらす怖れがあり回収することが望まれるが、燃料油に多く用いられるC重油は海底の低温環境下で粘度が高くなり、回収は難しいのが現状である。また、海底油田からのパイプラインに蓄積される高粘度物質は石油の揚収の効率を悪化させるとともに最悪の場合、管内の閉塞を引き起こす可能性がある。そこで、重質油等の高粘度物質を効率よく回収するために、水に化学的処理剤等を加えた高温高圧のジェットを高粘度物質に加えて微細化させ、分散化させることで流動化促進を図り、回収効率及び閉塞防止技術を向上させるシステムの研究開発を行うものである。
著者
宮田 修 原 正一 亀山 道弘
出版者
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

研究計画では「ノズルから放出した油に油処理剤を水中散布することによってO/W型エマルション群や油のみの場合の単一油粒、あるいは単一油粒の集まりである油粒群の浮上について連続的に実験・解析する。そのため、①水中散布の方法としてダクトによって油を集め処理剤を投入し油粒径が最小になる条件を求める。次に、②油粒径の異なるO/W型エマルションの終末浮上速度を求める。さらに、③油の放出条件による単一油粒や油粒群の粒径や形状の変化を含む挙動を明らかにする。最終的には、Re数、Eo数、M数の関係を整理し、油粒形状との関連を明確にできる図表を確立することにより油と油処理剤の最適混合に関する評価を行う。」としている。当該年度は、実験装置の配管や油ポンプの更新を行い。前述の「③油の放出条件による単一油粒や油粒群の粒径や形状の変化い含む挙動」について、A重油・C重油の実験を行った。その実験結果に基づき日本マリンエンジニアリング学会の第88回学術講演会において発表を行った。そこでは、「浮上する油粒の挙動が複雑であることの一つの理由は、油粒が浮上すると周囲に流れを起こし流れに巻き込まれながら浮上していくためであった。また、Re数やEo数とM数で実験結果を整理し、粘性や界面張力が浮上する油粒の形状や挙動に影響を与えている。」について示した。引続き、A重油とC重油を混合し動粘度や界面張力を変化させた実験実施中である。
著者
田口 晴邦 黒田 貴子 塚田 吉昭 宝谷 英貴 原口 富博 沢田 博史
出版者
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

Wave Groupも含めた任意波中における船舶の挙動を推定するために必要な船体運動時系列計算コードを開発し、模型船を用いた水槽実験結果と比較した。その結果、開発した船体運動計算コードで、定傾斜が付いた状態の運動特性や減揺装置の効果等を精度よく推定できることが確認された。また、開発した船体運動時系列計算コードを用いて、Wave Groupを含む実際の波浪中を航行する船舶の危険性を実用的な観点から評価する手法を検討した。
著者
小林 寛
出版者
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

重合格子法は、互いに重合(オーバーラップ)する複数の格子ブロック間で計算領域をカバーし、計算時には物理量等を補間し合うことで流場を求める手法であり、部分的な物体形状の変更や、多体問題への適用性に優れている。各時刻ステップで重合情報(補間情報)を生成する動的重合格子法を開発し、移動格子法による非定常計算と組合せ、プロペラ周りの流れ場の計算を行うとともに、流場や積分値等計算結果の検証を行い、手法の妥当性を確認した。