著者
富樫 穎
出版者
大阪市立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究の目的は、住空間デザインの志向性からみた住文化の典型的な型を抽出し、居住者の属性からみた各型の規定要因を明らかにすることにある。調査項目は、(1)住宅の外観デザインに対する志向性、(2)接客室の室内デザインに対する志向性、(3)住宅の内外空間構成要素に対する志向性、(4)居住空間の名称に対する志向性、(5)生活行事に対する志向性の5項目である。調査は、都市・農山村の女性を対象に実施し、901名の有効解答を得た。分析の結果、次の2つの典型的な型が抽出された。(1)「伝統和風志向」型……伝統和風の外観デザイン、伝統和風の室内デザイン、神棚、仏壇・床の間などの伝統的な室内空間構成要素や灯篭・庭石・築山などの伝統的な外部空間構成要素、続き間座敷・茶の間などの伝統的な空間名称、七草・月見・お盆・正月などの伝統的生活行事を志向する。(2)「現代洋風志向」型……現代的な「ペンション風」の外観デザイン、現代的な洋風の室内デザイン、吹抜け・大テーブル・フローリング・テラス・バルコニー・芝生などの現代的で洋風の内外空間構成要素、大きな居間・アトリエ・ホビールームなどの現代的な洋風の空間名称、誕生日・結婚記念日・聖バレンタインデー・クリスマスなどの現代的な洋風の生活行事を志向する。この2つの型は対立しあう関係にある。すなわち、「伝統和風志向」型は「現代洋風志向」型の要素を志向せず、「現代洋風志向」型は「伝統和風志向」型の要素を志向しない。この2つの型を規定する大きな要因は、年齢と都市・農山村という居住地の差異である。すなわち、若年層には「現代洋風志向」型が多く、高年層には「伝統和風志向」型が多い。また、都市居住者には「現代洋風志向」型が多く、農山村居住者には「伝統和風志向」型が多い。
著者
岡田 知子 富樫 穎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.163-168, 1985-10-25 (Released:2020-09-01)
参考文献数
1

In the central business district of OSAKA City, the number of inhabitants has been decreased. But the pattern of decrease is different between the office district and the wholescale district (fig.2). In the office district, inhabitants is very few. But inhabitants are in the hope of dwelling at the same place. So we must make plan of redevelopment in the wholesale district unifying business and dwelling.