著者
富田 真佐子 小高 稔 佐久間 光史 細田 裕 村山 隆志 山口 百子 水野 正一 吉田 英世 森沢 拓 山中 寿
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
プリン・ピリミジン代謝 (ISSN:09162836)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.91-98, 1996 (Released:2012-11-27)
参考文献数
24

We examined the relation of serum uric acid to mortality among 49,412 male employees aged 25 to 60 years old. Baseline data were collected during the health examinations performed between 1975 and 1982. Vital status was followed until 1985. Compared with men showing a uric acid level of 5.0-6.4 mg/dl, those with a level of 8.5 mg/dl and over had a 1.74-fold higher rate of mortality from all causes (p<0.05). Compared with men showing a uric acid level of 5.0-6.4 mg/dl, those with a level of 8.5 mg/dl and over had a 2.6-fold higher rate of mortality from cerebrovascular disease (p<0.01),1.7-fold higher rate of mortality from ischemic heart disease,3.1-fold higher rate of mortality from other heart disease (p<0.001),3.5-fold higher rate from liver disease (p<0.01), and a 7.0-fold higher rate from renal failure (p<0.01), respectively. Strong associations were obsereved between serum uric acid level and mortality from all causes, heart disease, cerebrovascular disease, liver disease, and renal failure. Associations was also observed between serum uric acid level and body mass index, systolic and diastolic blood pressure, liver function, serum total protein, serum total cholesterol, previous history of gout and circulatory diseases (p<0.001). Further investigation into the possible role of uric acid in the development of various disease is needed.
著者
富田 真佐子 福地本 晴美 鈴木 浩子 芳賀 ひろみ 河口 良登 竹内 義明 川上 由香子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.667-675, 2019 (Released:2020-02-06)
参考文献数
25

炎症性腸疾患患者の健康関連QOLを包括的視点と疾患特異的視点から明らかにし,炎症性腸疾患と共にある患者のQOL説明モデルを示すことを目的とする.対象者は,都内にあるA大学病院消化器内科に通院中の外来患者63名.質問紙法により,対象者の属性(疾患名,性別,年代,社会活動,治療年数,治療内容,手術歴),包括的尺度としてSF-8,疾患特異的尺度として著者が作成したIBD患者のQOL尺度19項目を用いた.分析は,各項目について記述統計量を算出し,SF-8の平均値について国民標準値および既存の文献と比較した.QOLモデルを作成するためにSF-8とIBD患者のQOL尺度各項目とのピアソンの相関係数を算出した.QOL尺度は5つの下位概念ごとに因子数を1とした主成分分析によって合成した成分得点を用いた.これらの相関係数を参考にモデル図を作成し,パス解析を行い,総合効果を算出した.倫理的配慮として調査は匿名にて行い,書面にて調査の目的と方法,自由意志での参加,拒否による不利益がないことについて説明した.本研究は昭和大学保健医療学部倫理委員会の承認を得て行った(承認番号:403).対象者は,潰瘍性大腸炎51名(81%),クローン病12名(19%),男性28名(44%),女性35名(56%),年齢は40歳代が最も多く18名(29%),平均治療年数平均11.7±8.9年,治療内容は,5-ASA薬46名(73%)が多く,開腹手術経験ありは8名(13%)であった.SF-8の8つの概念のスコアの平均は50前後で,PCS(身体的サマリースコア)は50.1±6.4,MCS(精神的サマリースコア)は48.6±7.0であった.国民標準値と比較したところほとんど有意な差はなかった.SF-8とQOL尺度の5つの下位概念の成分得点との相関係数は±.218〜.698であった.SF-8のPCSとMCSを最終的な従属変数とした健康関連QOLモデルを描いたパス解析を行った.総合効果では,「心理社会的生活への負担」に最も影響するのは「食生活上の困難さ」であり,健康関連QOLのPCSとMCSに最も影響するのは「心理社会的生活への負担」であった.対象者のSF-8のスコアは国民標準値とほとんど差がなく,下痢や腹痛による苦痛が少なく食生活上の困難も少ない者は,健常者と大差ないQOLを維持できることが示された.パス解析の結果から,仕事や心理的な負担,食生活の困難さを感じている者は健康関連QOLが下がるが,周囲からのサポートは活力をもたらし,心理社会的負担を軽減させ,前向きに病いと付き合うことにつながることも示された.