著者
富田 靖
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.109, no.12, pp.1974-1976, 1999-11-10
被引用文献数
1
著者
半田 芳浩 羽渕 知可子 日比 泰淳 安江 敬 柴田 真一 富田 靖
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.36-40, 2002

64歳,男性。経過中に両耳·右前腕·両手背に6個の日光角化症,右耳·左手背に2個の有棘細胞癌,右手背·左耳·右前腕に4個のBowen病および右手背に単発の基底細胞癌を認めた症例を経験した。砒素摂取歴や職業上で染料,切削油,コールタール,農薬などの発癌物質への曝露歴はない。UVAの最少反応量,UVBの最少紅斑量の低下はなかったが,皮疹はいずれも露光部に出現しているため,日光の刺激により誘発されたと推測した。右耳の日光角化症には液体窒素療法を施行し,他の腫瘍は全て切除した。局所再発は認めていないが,現在も両手背~前腕にBowen病の初期病変もしくは日光角化症と思われる褐~紅色斑が多発しているため,慎重に経過観察している。多種の皮膚悪性腫瘍が多部位にわたり発症した例は稀と考え報告した。
著者
富田 靖 吉村 達雄 根東 義明 五十嵐 裕 伊藤 祥輔
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.473-479, 1992

6ヵ月男児のメンケス病の一例を報告した。本例は低血清銅値と低セルロプラスミン値, 発育不良, 筋痙攣発作などの典型的症状を示した。皮膚症状としては, 頭髪の低色素ないし白髪と捻転毛を示した。これら諸症状は, 銅利用の先天的な欠陥が引き起こした銅酵素群の活性低下によるものである。頭髪のユウメラニンおよびフェオメラニン含量は健常人の半分程度で, 銅酵素であるチロシナーゼの活性低下が示唆された。乳幼児に白髪や捻転毛を示す疾患は限られており, これら頭髪の症状の出現は本症の診断に重要な意味を持つと考える。