- 著者
-
鈴木 昭広
寺尾 基
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.2, pp.151-158, 2007 (Released:2007-03-30)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
-
6
5
エアウェイスコープ® (AWS) はCCDカメラとLCDモニターを内蔵するビデオ硬性喉頭鏡で, 付属のディスポーザブルブレードとともに用いる新しい気管挿管器具である. 舌などの軟部組織に対して最小の外力で声門にアプローチでき, モニター画像で声門を詳細に観察できる. マッキントッシュ型とは異なるアプローチ方法のため, AWSを用いた際の喉頭所見はすべてCormack分類でgrade I 相当となる. さらに, ブレードには気管チューブガイド用の溝があり, チューブは気管軸に対して平行に進む. その際, モニター上にはガイド溝を経由したチューブの予想進行方向を示すターゲットマークが表示されるため, 施行者は声門をマークに合わせるように操作すれば容易に気管挿管を行うことができる. 初心者の気管挿管から熟達者の挿管困難症例への使用まで応用範囲は幅広く, 気管挿管の新しい時代を開くだけの潜在能力をもつと期待される. われわれは2006年7月の発売開始後より毎月50例程度, 4ヵ月でのべ200例の挿管症例を重ねたので, これまでに得られた知見をもとに, 本稿でその使用の実際について紹介する.