著者
鈴木 昭広
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.160, 2018-10-31 (Released:2018-12-28)

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著者
鈴木 昭広 寺尾 基
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.151-158, 2007 (Released:2007-03-30)
参考文献数
11
被引用文献数
6 5

エアウェイスコープ® (AWS) はCCDカメラとLCDモニターを内蔵するビデオ硬性喉頭鏡で, 付属のディスポーザブルブレードとともに用いる新しい気管挿管器具である. 舌などの軟部組織に対して最小の外力で声門にアプローチでき, モニター画像で声門を詳細に観察できる. マッキントッシュ型とは異なるアプローチ方法のため, AWSを用いた際の喉頭所見はすべてCormack分類でgrade I 相当となる. さらに, ブレードには気管チューブガイド用の溝があり, チューブは気管軸に対して平行に進む. その際, モニター上にはガイド溝を経由したチューブの予想進行方向を示すターゲットマークが表示されるため, 施行者は声門をマークに合わせるように操作すれば容易に気管挿管を行うことができる. 初心者の気管挿管から熟達者の挿管困難症例への使用まで応用範囲は幅広く, 気管挿管の新しい時代を開くだけの潜在能力をもつと期待される. われわれは2006年7月の発売開始後より毎月50例程度, 4ヵ月でのべ200例の挿管症例を重ねたので, これまでに得られた知見をもとに, 本稿でその使用の実際について紹介する.
著者
鈴木 昭広 寺尾 基
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.151-158, 2007-02-20
被引用文献数
15

著者版
著者
柏木 友太 鈴木 昭広 丹保 亜希仁 川田 大輔 西浦 猛 小北 直宏 藤田 智
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.43-47, 2016-01-01 (Released:2016-01-08)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Ia群抗不整脈薬シベンゾリンを含む処方薬を過量服用し,心停止を来した症例を経験したので報告する。症例は10歳代後半,男性。家族に処方されていたシベンゾリン100 mg 30錠,バルプロ酸200 mg 118錠,ブロチゾラム0.25 mg 28錠,イブプロフェン100 mg 34錠を自宅で服用した。内服から70分後に当院救命センターへ搬送された。心電図は完全右脚ブロック波形であったが当初循環は保たれていた。しかし,来院15分後より心室頻拍(ventricular tachycardia, VT)となり,やがてpulseless electrical activity(PEA)となった。心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation, CPR)に反応しないため経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS)を導入した。ICU入室後,血漿交換を行い加療したところ徐々に心拍出量が増加し,第10病日に後遺症を残さず独歩退院となった。過量服薬によるIa群抗不整脈薬中毒は稀であるが,作用機序に基づく治療法を知っておく必要がある。重症例では急激な循環不全に至る可能性があり,機械的補助循環の導入を考慮した初療対応や適切な血液浄化法の選択が求められる。
著者
鈴木 昭広
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.310-318, 2008 (Released:2008-04-16)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

エアウェイスコープ® (AWS) とエアトラック® (ATQ) は, ともにチューブ誘導機能を有する間接声門視認型の硬性喉頭鏡である. 両者とも, 喉頭所見を劇的に改善し, ガイド溝を経由したチューブを高い確率で気管に安全・確実に留置することを可能とし, 現行の気管挿管器具のなかで最も進化した喉頭鏡と考えられる. 両者は外見上の構造は類似しており, 共通のコンセプトを有してはいるが, 喉頭蓋の挙上法や声門に至るアプローチなどに相違がある. これら新しい気道確保器具はマッキントッシュ型喉頭鏡の後継者としてきわめて有望であり, 今後の気道管理に重要な役割を果たすと考えられる.
著者
鈴木 昭広 平井 裕康 岩波 悦勝 川向 みさき 佐野 克敏 舘岡 一芳 朝井 裕一 木村 仁美 國澤 卓之 横田 啓 岩崎 寛
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.57-65, 2006-01-13
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

  定期手術患者445名の手術室入室時に, 前投薬の有無, 術前点滴の有無, 入室時の服装, 入室方法 (歩行, 車椅子, ベッド) を自由に選択させる試みを多施設で行った. 前投薬は全体の40%が希望した. 前投薬を施行しない場合, 入室時の不安度を示すVASは有意に増加した. 血圧はどの群でも入室時に増加した. 歩行入室の場合, 心拍数も有意に増加したが臨床的に重要な変化とはいえなかった. 点滴の有無は脈拍数に影響しなかった. 今回の試みに対する満足感を示すVASは89±16mmと高値であった. 患者の希望を最大限尊重し, 叶えられない事項については十分に説明を行うことで患者の満足感を向上させることができ, 安全な入室が行えると考えられた.
著者
齋藤 康人 柳澤 千香子 押見 雅義 鈴木 昭広 礒部 美与 高橋 光美 洲川 明久
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.14, pp.21-27, 2007 (Released:2007-05-15)
参考文献数
24

肺癌術後心肺合併症に影響する因子や術後離床日数及び在院日数との関係について術式別に検討した報告は少ない。今回我々は一側肺全摘除術患者の術前・術中因子が術後心肺合併症に影響するか,また,術後心肺合併症の有無が術後離床日数及び在院日数に影響したかを検討した。対象は当センターで肺癌による一側肺全摘除術を施行し術前術後リハビリテーションを行った連続42例とした。対象を術後心肺合併症非合併群(N群)と心合併症群(C群),肺合併症群(P群)に分類し,術前・術中因子,術後離床日数・在院日数を比較した。術前・術中因子の比較では術側,N群とC群との間での麻酔時間,N群とP群との間でのFEV1.0%に有意な差が認められた(p<0.05)。術後離床日数・在院日数の比較ではN群とC群との間で術後離床日数に,N群とP群との間で術後在院日数に有意な差が認められた(p<0.05)。以上より,手術中の不整脈や循環不全などにより麻酔時間が延長した症例やFEV1.0%が低下している症例では,慎重かつ重点的な術前術後リハビリテーションアプローチが必要と考えられた。また,C群では術後離床までの日数が遅延していたことから,今後は心合併症症例に対する術後リハビリテーションプログラムや実施基準について長期的に検討していきたい。
著者
柳澤 千香子 押見 雅義 鈴木 昭広 齋藤 康人 礒部 美与 高橋 光美 洲川 明久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.G0439, 2007

【目的】当センターは、高度専門医療を中心に対応しており318病床を有する。2004年に感染症対策委員会の下に実行的な組織として、Infection Control Teamが医師・看護師・各部門のコメディカル・事務職員により編成された。職業感染・針刺し事故・教育および研修・抗生剤の適正使用・院内感染の監視等に関する活動を行っている。重要な活動の一つに多職種を対象とした感染管理教育があげられる。教育活動として全職員を対象とした院内研修会の他、各部門においても研修を行い啓蒙に努めている。今回リハビリ部門において標準予防策に基づき衛生的手洗い方法の研修を行った。その後、手洗いの教育効果の実態把握と意識調査について評価を行った。【方法】対象はリハビリ部門の職員7名(リハ医・PT)。事前に衛生的手洗い方法について6ヶ月前にビデオ資料を用いて指導を行っていた。実技の評価として、手洗いミスは蛍光塗料とブラックライトを組み合わせた機械(Glitter Bug)を用いて3段階の評価を行った。行動・意識の評価として、手洗い方法の基本動作・手順については16項目(波多江ら2000)、日常業務において手洗いが必要と思われる場面の施行は15項目(掛谷ら2004から抜粋)について、それぞれ最近1ヶ月の実施率についてアンケートを行った。【結果】1.手洗いミスの評価は、A判定(爪の付け根等を残してほとんど落ちている)0名・B判定(手首、指の間等一部に残っている)4名・C判定(全体に残っている)3名であった。2.手洗い方法の基本動作・手順については、ほぼ実施していると答えた割合が80%以上の項目は、ゴミ箱にふれずにペーパータオルを捨てる・半袖の着用・爪のカット・水はねに注意する・洗面台に手を触れないの5項目のみであった。また0%だったのは、水道水は2~3秒流してから手を洗う項目であり、他にも実施していないと答えたものが8項目あった。3.日常業務において手洗いが必要と思われる場面での手洗いは、ほぼ実施していると答えた割合が80%以上の項目は排泄介助後・トイレをすませた後の2項目のみであった。また実施していないと答えたものが12項目あった。【考察】院内感染対策において、手洗いは最も基本的であり重要である。今回の結果より、衛生的手洗い方法について指導を行っているにも関わらず6ヶ月後には正しく行えていなかった。指導方法が知識の伝達だけで実技を取り入れていなかったため、習得できていなかった可能性もあるが、教育効果の継続は難しいことが明らかだった。医療従事者の手指からの交差感染のリスクを減少させるためには、他に速乾性擦式手指消毒薬併用を積極的にすすめる必要がある。手洗いに対する基本動作や意識についても認識が低く、必要性についての理解や意識の改善を促す必要があった。手洗い行動を習慣化させ、知識や技術を習得できるよう繰り返しの再教育の実施は必要と思われた。<BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR>
著者
柏木 友太 小北 直宏 丹保 亜希仁 川田 大輔 鈴木 昭広 藤田 智
雑誌
臨床体温
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.38-41, 2013-12

出版社版[症例1]夏山登山で20〜60歳代の男女6人が風雨で動けなくなり遭難した。60歳代の女性1人は来院時心肺停止状態で死亡した。別の60歳台女性1人と30歳台男性が軽度低体温症で入院となった。[症例2]氷点下の屋外でランニング中の高校生3人が意識障害を来し搬送された。救急隊到着時鼓膜温35.6℃であったが、寒冷環境下の運動により体温が喪失し低体温症に至ったと考えられた。【結語】偶発性低体温症が発生する要因として冷温環境に加えて強風・熱産生のための体内エネルギーの枯渇・運動による発汗・脱水等が挙げられる。症状の進行は急速で数時間で死に至る。意識・震え・生命兆候の有無により重症度を判断できる。