著者
辻本 豪三 平澤 明 木村 郁夫 奥野 恭史 輿水 崇鏡 足達 哲也 寺澤 和哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

研究対象(各種がん株化細胞)に対する包括的トランスクリプトーム解析による疾患・治療関連のcRNA/ncRNA群の抽出、それらのネットワーク解析に基づく機能予測、細胞レベルにおける遺伝子発現調節の検証と生物機能学的効果の同定、更にこれらを統合する新たな生命制御機構の発見を目的とする。平成22年度は(1)cRNA/ncRNA包括的トランスクリプトーム解析:昨年度までに構造決定した約2,000種のncRNAに関して、通常のマイクロアレイDNAチップでは検出感度の問題から、低発現量のcRNA/ncRNA群に関してはその量的変化が正確にモニター出来ない可能性があることから、企業と共同研究開発した超高感度DNAチップをプラットフォームに用いて、主としてncRNA,それらの機能対象候補cRNAの量的変化をモニターする新たなチップ解析用ツール開発技術を用いてオリゴDNA合成により相補的プローブを合成してDNAチップに固相化し、miRNAを含む包括的トランスクリプトーム解析チップを作製した。このチップと従来型のチップの機能に関しての比較検証を行った。(2)解析の対象:対象としては、疾患関連cRNA/ncRNA群の解析実験には、各種患者検体より株化された食道がん細胞や乳がん細胞を用い、細胞増殖と各種抗がん剤による作用の経時変化と同時に採取された組織から抽出されるRNAの包括的トランスクリプトーム解析用DNAチップによる発現プロファイル解析を行い、更に各種薬物治療によりこれらの遺伝子群がどのような発現変動を行うかを経時的にモニターし、個体における発現型変動(生理、生化学パラメーター)との相関を一部解析した。食道がんよりバイオマーカー候補を同定し、知財化した。