著者
宮城 愛 寺澤 由佳 山本 伸昭 和泉 唯信 梶 龍兒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.109-113, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
5

症例は78歳男性である.慢性膿胸に対する胸腔洗浄中に左片麻痺を発症し,頭部CTで点状の空気像をみとめたために,脳空気塞栓症と診断された.頭部CTとほぼ同時期に実施した頭部MRI-T2* 強調画像で頭部CTの空気像と同部位に多発低信号をみとめた.発症から7時間後のT2* 強調画像では多発する低信号は発症2時間後よりも小さく,より広範にみられるようになり,第54病日では点状の低信号はほぼ消失していた.近年,急性期脳梗塞の診断にMRIをおこなうことが多くなっており,脳空気塞栓症の急性期MRI所見を知っておくことは重要と考える.