著者
梶 龍兒
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.122-141, 2015-08-01 (Released:2016-09-01)
参考文献数
50
著者
吉田 和也 梶 龍兒 飯塚 忠彦
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.563-571, 2000-10-20
参考文献数
26
被引用文献数
3 2

Oromandibular dystonia is characterized by involuntary contraction of the masticatory and tongue muscles, causing difficulties in mastication or speech. Muscle afferent block (MAB) therapy by intramuscular injection of lidocaine and alcohol is aimed at reducing muscle spindle afferents. We treated 37 patients with oromandibular dystonia by intramuscularly injecting 5 to 10ml of 0.5% lidocaine with 0.5 to 1ml of 99.5% alcohol. The muscles for injection were chosen from among the masseter, the inferior head of the lateral pterygoid muscle, the anterior belly of the digastric muscle, the genioglossal muscle, the medical pterygoid muscle, the sternocleidomastoid muscle, and the trapezius muscle. The effect of therapy was assessed subjectively on a linear self-rating scale ranging from 0 (no improvement) to 100 points (complete cure). All patients showed clinical improvement with reduced EMG activity in the affected muscles. The mean number of injections was 10.1±5.8. The overall subjective improvement rate was 60.8±25.4%. Maximal mouth opening (26.0±7.7mm) in patients with restricted mouth opening increased significantly (<I>p</I><0.0001, <I>t</I> test) after treatment (37.1±7.6mm). Some patients had tenderness, stiffness, or swelling of the muscles after repeated injection. The discomfort disappeared spontaneously after discontinuing therapy. MAB therapy is an effective means of treating oromandibular dystonia that has no major side effects.
著者
有井 敬治 三ツ井 貴夫 川村 和之 橋 逸郎 梶 龍兒
出版者
独立行政法人国立病院機構徳島病院(臨床研究部)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

最近、太極拳がパーキンソン病の症状を改善させることが報告されている。我々はパーキンソン病をはじめとした神経難病に対する独自のリハビリテーションを開始した。その中で、パーキンソン病のための独自の太極拳メニューを考案し、入院患者のリハビリテーションに取り入れている。本研究は、入院患者のみならず外来患者も自宅で容易にトレーニングできるようにするための太極拳DVDを作成することを計画した。その結果、前回作成した初級編DVDと平行してして、比較的軽症で自立度の高い患者を対象にした上級編パーキンソン病太極拳DVDを製作した。これにより個々の障害程度に合わせた太極拳運動のセルフトレーニングが可能になった。
著者
中根 俊成 溝口 功一 阿部 康二 熱田 直樹 井口 保之 池田 佳生 梶 龍兒 亀井 聡 北川 一夫 木村 和美 鈴木 正彦 髙嶋 博 寺山 靖夫 西山 和利 古谷 博和 松原 悦朗 村松 慎一 山村 修 武田 篤 伊東 秀文 日本神経学会災害対策委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.643-652, 2020 (Released:2020-10-24)
参考文献数
57

東日本大震災の甚大な被害を踏まえて日本神経学会の災害対策活動はスタートした.2014年,正式に日本神経学会災害対策委員会が発足し,災害支援ネットワーク構築と指揮発動要件設定を行い,模擬訓練を実施した.2016年の熊本地震で我々は平常時の難病患者リスト作成,個別支援計画策定の重要性を認識し,避難所等における難病患者のサポートのあり方を検討した.2017年,我々は災害対策マニュアルを刊行し,難病患者の災害時調整役として各都道府県に神経難病リエゾンを配置することを定めた.神経難病リエゾンの役割は「被災地の情報収集・発信」,「医療支援調整」,「保健活動」であり,平常時と災害時の活動が期待される.
著者
宮城 愛 寺澤 由佳 山本 伸昭 和泉 唯信 梶 龍兒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.109-113, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2

症例は78歳男性である.慢性膿胸に対する胸腔洗浄中に左片麻痺を発症し,頭部CTで点状の空気像をみとめたために,脳空気塞栓症と診断された.頭部CTとほぼ同時期に実施した頭部MRI-T2* 強調画像で頭部CTの空気像と同部位に多発低信号をみとめた.発症から7時間後のT2* 強調画像では多発する低信号は発症2時間後よりも小さく,より広範にみられるようになり,第54病日では点状の低信号はほぼ消失していた.近年,急性期脳梗塞の診断にMRIをおこなうことが多くなっており,脳空気塞栓症の急性期MRI所見を知っておくことは重要と考える.
著者
山本 雄貴 垂髪 祐樹 山崎 博輝 武内 俊明 古川 貴大 宮崎 由道 山本 伸昭 和泉 唯信 梶 龍兒
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10397, (Released:2016-03-09)
参考文献数
15

症例は40 歳主婦.過多月経による重度の慢性貧血(ヘモグロビン1.1 g/dl)があり,合計20単位の赤血球輸血を受けた.2 週間後に突然の頭痛と全身痙攣を来し搬送された.MRI 所見からPRES(posterior reversible encephalopathy syndrome)を合併したRCVS(reversible cerebral vasoconstriction syndrome)と診断し,保存的治療を行った.経過中に一旦は軽快していた症状および画像所見の再増悪がみられたが,最終的には後遺症を残さずに退院した.慢性貧血患者に輸血を行う際には,合併症としてRCVS やPRES を発症しうることに留意し,頭痛や他の神経症状の出現時にはすみやかにMRI などの検査を行う必要がある.
著者
山本 雄貴 松井 尚子 平松 有 宮崎 由道 野寺 裕之 和泉 唯信 髙嶋 博 梶 龍兒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000976, (Released:2017-01-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2 4

症例は60歳男性.小児期より運動後の筋疲労感や褐色尿を自覚したが症状は軽微であった.45歳頃より両下肢遠位部優位の筋萎縮,感覚障害が進行した.神経伝導検査で軸索型末梢神経障害を呈し,シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease; CMT)が疑われた.55歳より横紋筋融解症を繰り返すようになり,血清アシルカルニチン分析と遺伝子検査から三頭酵素欠損症と診断した.三頭酵素欠損症は先天性脂質代謝異常症の稀な一型であるが,末梢神経障害を合併してCMTに類似した臨床所見を呈しうる.筋症状を伴う進行性の末梢神経障害をみた場合,積極的に本疾患を疑って精査すべきである.
著者
梶 龍兒 佐藤 健太 佐光 亘 後藤 恵
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.844-847, 2008 (Released:2009-01-15)
参考文献数
9

Diagnosis of dystonia is not difficult by recognizing the pattern of clinical presentation. Dopa-responsive dystonia (DRD) and Wilson disease are important in differential diagnosis because of their specific treatment. The most common are the focal dystonias, including blepharospasm and spasmodic torticollis. Dystonia comprises mobile involuntary movements and abnormal postures, the latter is better described as hypokinetic disorder. The pathogenesis of dystonia is now being clarified, and includes abnormal neuroplasticity caused by the relative excess of dopamine in the matrix compartment of the striatum, the possible primary lesion being the striosome. In a dopa-responsive dystonia model, dopaminergic projection is more deficient to the striosome than to the matrix, which could produce imbalance between the direct versus. indirect pathway activities. The treatment options include trihexyphenidyl, minor tranquilizers, botulinum toxin injection, and deep brain stimulation.
著者
佐光 亘 阿部 考志 原田 雅史 和泉 唯信 梶 龍兒
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.9-15, 2018-02-01 (Released:2018-03-13)
参考文献数
22

脳機能を評価する比較的新しい方法としてResting state functional magnetic resonance imaging (RSfMRI) があり, 特にindependent component analysis (ICA) に基づく解析は, ネットワークレベルでの病態解析法として応用されてきた。筋萎縮性側索硬化症 (ALS) における, 脳機能ネットワークを評価した論文が散見されるが, 各ネットワーク間の関連性に関する報告はない。また, 上位運動ニューロン徴候を欠くためにALSと診断できない場合もあり, 診断補助としてのICAによるネットワーク解析の有用性評価と, ALSにおけるnetwork-network interactionを明らかにするために本研究は行われた。12人のALS患者と12人の疾患対照のMRI撮影を行った。ICAにより, sensorimotor network (SMN), Salience network (SN), right frontoparietal network (RFPN) などを同定した。両群間に各ネットワーク発現量の有意な差は認められなかったが, ALSにおいてのみ, SMN・RFPN・SN間に有意な相関が見出された。これらの結果は, 診断補助としてICAに基づくネットワーク解析を用いることの困難さと, ALSにのみ認められる, 異常なnetwork-network interactionの形成を示唆する。
著者
後藤 恵 梶 龍兒 森垣 龍馬
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

大脳基底核回路の中核的役割を演じる線条体にはストリオソームとマトリックスと呼ばれる2つの機能分画が存在する。研究期間内に、ジストニア症状を呈する遺伝子改変動物モデルまたヒト疾患モデルではドパミンD1受容体シグナルの低下がストリオソームに選択的に存在することを見出した。さらに、ジストニアを主症状とする線条体変性疾患ではストリオソーム優位の神経細胞脱落がみられるが、このコンパートメント特異性病変の形成にニューロペプチドYやPSD-95 などの神経保護因子の発現が関与していることを示した。これらの所見はジストニアの発現機序として私が提唱する“ストリオソーム仮説”と符号するものである。
著者
日指 志乃布 福光 涼子 石田 光代 野寺 敦子 大谷 尭広 丸岡 貴弘 中村 和己 和泉 唯信 梶 龍兒 西田 善彦
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.550-554, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
19
被引用文献数
2

パーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)の嚥下障害は予後に関係する重要な因子だが,進行するまで見落とされやすい傾向にある.我々は主に軽症から中等症のPD患者31例の嚥下機能を嚥下造影により検討した.嚥下障害は咽頭期28例,口腔期19例,食道期15例,準備期1例とほぼ全例にごく早期から咽頭期を中心に認められたが,質問票などのスクリーニング検査では検出が困難であった.今回の検討によりPDの早期から嚥下障害が不顕性に認められる場合があることが臨床的評価指標から示された.今後,PD発症前の嚥下機能低下を何らかの形で追跡して嚥下障害が発症前症状になり得るか検討する必要がある.
著者
梶 龍兒
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.310-315, 2005-05-20

種々の不随意運動は大脳基底核, 小脳, 大脳皮質, 脊髄などを含むフィードバックループの障害と考えることができる.本論文では大脳基底核とそれを含む運動ループの生理的な役割と疾患, 特にパーキンソン病とジストニアにおける異常について詳説する.このループ内では運動に関係した知覚入力のみが処理されていると考えられるが, その選択(gating)に異常をきたすと運動に不必要な筋の収縮がみられ, ジストニアなどの不随意運動をきたす.パーキンソン病ではこの感覚入力と運動出力のgain control (scaling)の異常が起こり運動が過少になる.このような知覚情報処理が基底核の生理と病理できわめて重要な意味をもっている.
著者
沖 良祐 内野 彰子 和泉 唯信 小川 博久 村山 繁雄 梶 龍兒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000761, (Released:2015-11-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例は死亡時74歳の男性である.小児期の急性灰白髄炎罹患後に左下肢麻痺が残存した.60歳頃より四肢筋力低下,72歳頃より呼吸機能障害・嚥下障害が進行し,発症約14年後に死亡した.神経病理学的には脊髄にポリオ後遺症と思われるplaque-like lesionのほか,脊髄全長にわたりグリオーシスを伴う前角細胞脱落を認めたが,Bunina小体やユビキチン・TDP43陽性封入体などamyotrophic lateral sclerosis(ALS)に特徴的とされる構造物は認めなかった.ポストポリオ症候群は稀に呼吸機能障害や嚥下障害が急速に進行して致死的となる場合があり,これらの病理所見はポストポリオ症候群による運動麻痺の進行と関連していると考えられた.