- 著者
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寺田 文行
- 出版者
- 一般社団法人 日本科学教育学会
- 雑誌
- 日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.3, pp.39-44, 1987-03-14 (Released:2017-11-17)
この報告書は、約50名のメンパーによる高校数学カリキュラムの研究に基づいて、これからの高校数学の展開の方向を述べたものである。今日の教育の間題点は、一つには多様化への対応をいかにするかであり、二つ目にはコンピューター対応である。これらは高校数学の場合に特に顕著であり、これらへの対応が次期のカリキュラム改定の中心的な課題である。我々研究グループは、多様化対応の戦略の中心を次の二点におく。高校生一般に対する "数学的知性のかん養" 将来も数学を必要とする生徒に対する "数学的処理能力と思考力の強化" 高校の数学には、出来る限り多くの生徒に学習させたいコアとなる部分がある反面、大学進学後のためにもこの年齢で鍛えておくべき部分がある。学習における平等指向の強い教育環境であることも考え合わせ、いかにしてこの解決を計るかに応えて、我々はコア・オプション・モデュールと命名した高校数学カリキュラムを設計したのである。コンピューターへの対応もそのなかにおりこまれている。