著者
高島 宏幸 佐々木 光信 小原 甲一郎
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.164-169, 1992-12-15
被引用文献数
4

肥満を評価するため近赤外線分光法による脂肪量測定を行い,諸種の体格指標(丹治指数,BMI, Broca-桂法,明治生命の標準体重表による肥満度)との比較を行った。対象は男性134例,女性38例であった。体脂肪率は16.4%〜47.5%に分布し,男女とも各体格指標と有意な相関を認めた。また測定精度を検証するため,同一測定者による多数回測定と別測定者による測定での変動係数と測定者間誤差の有無を調べたが,精度に問題は認められなかった。危険選択において脂肪量測定が充分可能となった意義は大きい。特に過体重として評価された被保険者について脂肪量の補足データが得られるのは重要な利点である。
著者
圓谷 徹彦 佐々木 光信 小原 甲一郎
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.186-195, 1992-12-15
被引用文献数
2

1980年から1988年の契約年度に標準体として契約した男性について保険年度1年から5年までを調査対象として選択区分別保険年度別死亡指数をみると,面接士扱の場合,保険年度1年度の選択効果が他の選択区分に比べて不良で,2・3・4年度も良好ではない。さらに災害死と自殺を除いた保険年度別疾病死亡指数をみると,到達年齢で30歳代までは選択効果がみられるが,40歳代においては,選択効果が認められない。面接士の選択効果の補強を体格データの面から行うため,診査医扱の体格データと他の体況データ(血圧・尿糖)の異常出現率の関係について年齢訂正Odds比の算出により分析した。その結果,BMIが25以上になると有意に体況異常の出現率が増加することがわかった。従って面接士の体格基準を他の選択区分と一率に運用することには問題があるとの結論に至った。肥満群では,再診査による体況の確認を行う必要性があると思われた。