著者
佐々木 光信
出版者
生命保険経営学会
雑誌
生命保険経営 (ISSN:02872641)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.39-59, 2004-07
著者
佐々木 光信
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.264-275, 2006-09-17
被引用文献数
2

保険商品の多様化と契約年齢の拡がりにより,若年の精神遅滞者の保険加入申し込みを目にすることも稀ではなくなった。高齢者の加入も多くなり認知症を罹患した方の引き受けの問題も現実に発生している。認知症や精神遅滞などの知的障害は,その病態として契約者や被保険者について意思能力の欠失を意味するため,他の疾病とは異なる契約の引受および契約管理上の問題を提起する。本稿では,知的障害の保険リスクを考察すると共に,知的障害について一般社会で導入されている判断基準や社会福祉制度について概観する。これらの諸制度を参考に被保険者の同意能力や契約者の意思能力の有無について保険会社としてどのように判断するべきなのかを検討し,生命保険における知的障害の問題を考察したい。
著者
河野 康一 佐々木 光信 嘉藤田 進 片桐 聡 深谷 正道 藤井 大輔 宇都出 公也
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.156-162, 2012-06

本年(2011年),当社より発売したがん保険の新商品「Days」においては,がんに対する放射線治療の給付要件「50グレイ以上の照射で,施術の開始日から60日の間に1回の給付を限度とする」から「50グレイ以上の照射で」(以下,総線量50Gy規定と記載する)の規定を廃止した。本規定はもともと1981年に作成された「疾病・手術に関する全社統一約款」において,当時のがん治療の実態から手術給付金の一つとして設けられたものであった。その後,放射線治療は多様化・個別化しており,現在では,臨床と保険給付要件との間に乖離が生じている。当社では,がん保険の新商品の発売に当たり,現在のがん医療の実情に合わせた保険とすべく約款内容の検討を行った。総線量50Gy規定の廃止もその一つである。本規定の廃止は,本邦のがん保険においては当社が初めて行ったものであり,歴史的にも意義の深いものと考えられるので,ここに報告する。
著者
佐々木 光信
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 = The Journal of the Association of Life Insurance Medicine of Japan (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.273-303, 2003-09-17
参考文献数
24
被引用文献数
1

遺伝子検査と危険選択を巡る議論が,マスコミを含め取上げられる機会が多くなってきている。また先端医療の進歩に伴う様々な生命倫理の問題に対しても保険業界は真撃に取り組まねばならなくなってきている。本稿では,3年前にあった「遺伝子情報と生命保険に関する研究会」の活動の経緯を報告し,その際纏められた遺伝子情報と生命保険に関する学会の見解表明と遺伝子検査と危険選択を巡る諸問題の解説資料を原文のまま掲載することとした。残念ながら当時諸事情のため公開することには至らなかったが,本稿が遺伝子情報と生命保険を巡る議論の資料となることを信じて,今回学会長の了解のもと投稿させていただいた。
著者
高島 宏幸 佐々木 光信 小原 甲一郎
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.164-169, 1992-12-15
被引用文献数
4

肥満を評価するため近赤外線分光法による脂肪量測定を行い,諸種の体格指標(丹治指数,BMI, Broca-桂法,明治生命の標準体重表による肥満度)との比較を行った。対象は男性134例,女性38例であった。体脂肪率は16.4%〜47.5%に分布し,男女とも各体格指標と有意な相関を認めた。また測定精度を検証するため,同一測定者による多数回測定と別測定者による測定での変動係数と測定者間誤差の有無を調べたが,精度に問題は認められなかった。危険選択において脂肪量測定が充分可能となった意義は大きい。特に過体重として評価された被保険者について脂肪量の補足データが得られるのは重要な利点である。
著者
圓谷 徹彦 佐々木 光信 小原 甲一郎
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.186-195, 1992-12-15
被引用文献数
2

1980年から1988年の契約年度に標準体として契約した男性について保険年度1年から5年までを調査対象として選択区分別保険年度別死亡指数をみると,面接士扱の場合,保険年度1年度の選択効果が他の選択区分に比べて不良で,2・3・4年度も良好ではない。さらに災害死と自殺を除いた保険年度別疾病死亡指数をみると,到達年齢で30歳代までは選択効果がみられるが,40歳代においては,選択効果が認められない。面接士の選択効果の補強を体格データの面から行うため,診査医扱の体格データと他の体況データ(血圧・尿糖)の異常出現率の関係について年齢訂正Odds比の算出により分析した。その結果,BMIが25以上になると有意に体況異常の出現率が増加することがわかった。従って面接士の体格基準を他の選択区分と一率に運用することには問題があるとの結論に至った。肥満群では,再診査による体況の確認を行う必要性があると思われた。