著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.221-224, 2014 (Released:2014-08-06)

繋がりが重要な今日、閉じた世界での情報処理には限界がある。Semantic WebのRDF/OWLは開世界仮説と非唯一名仮説でこれらを解消しようとする。本稿はRDF/OWL言語がDB言語に比べ社会科学に適合的であることを明らかにする。RDFにおいては概念の担保は間主観性によるところがあり、現象学的転回に適合的である。進化や統合においては記号間に不整合が発生するが、開世界仮説ではユーザはそれを解消する一人称の能動的主体であるとするところがある。これは実践論的転回に適合的である。技術であるRDL/OWLはそれらのみでは組織内の普及に困難がある。しかしそれらは社会科学に適合的であるためIS研究はその発展に貢献できる可能性がある。
著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.50, 2007

IS学の確立の企図のもと、S. Alterはビジネスの実務家がシステム分析を行う方法論を開発中である。その中核にワーク・プラクティスを捉えるAlter独自のフレームがある。ワークプラクティスを捉えるフレームに心理学で発達してきた活動理論がある。Alterのものと活動理論のそれを、オートポイエーシスをベースとしたKayの組織論をも使用して比較分析することで、IS論の構築基盤をより確実なものとする。
著者
小坂 武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

組織イノベーションは組織メンバらの相互作用によることが理論的に知られる。このイノベーションには自己の環境を意識化できるシステム分析方法が求められるが、それは従来の三人称システム分析とは異なった一人称システム分析である。この分析方法論を、筆者らは現象学のもと、図的資源に活動理論を使う考えを提案している。それは、システム分析において現象学を活動理論の図的資源を利用して行うことに相当する。その方法や図的資源が、組織メンバがおかれる構造や条件の意識化を促進するものであるかを、Diltheyの哲学やHackmanらの職務充実理論などで評価する試みを行う。