著者
津田 淑江 小寺 俊子 大家 千恵子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.1009-1020, 2002-10-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
30

本研究では女性の食生活と低体重児出産および適正体重児出産との関係を調べた.食物摂取頻度および食行動パターンの調査を行い, 妊娠1年前の母親の食物摂取頻度, 年齢, 身長, 体重と新生児の体重を調べた.調査データーから低体重児出産婦および適正体重児出産婦の平均値には違いは見られなかった.しかし低体重児出産婦は適正体重児出産婦よりBMI19.5未満の人が多かった.食物摂取頻度調査の結果, 両出産婦ともエネルギー, タンパク質, カルシウム, 鉄の摂取量が低かった.また低体重児出産婦はコンビニエンスストアやスーパーマーケットの惣菜の利用が多く, 3食外食でも平気, スナック菓子をよく食べる, ダイエットで食事制限の経験があり, 偏食がある事が明らかとなった.これから次の世代を出産する女性にとって, この現状を改善し, 低体重児出産防止のために, 若いころからの家庭での食教育が重要であることが示唆された.