著者
菊池 和子 高橋 有里 小山 奈都子 石田 陽子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.66-75, 2009-04-10 (Released:2016-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2

本研究は筋肉内注射部位の皮下組織厚を明らかにし, 注射針刺入深度を検討することを目的とした. 対象者は調査同意を得た男性 174名, 女性 156名の合計 330名. 筋肉内注射部位の皮下組織厚を超音波診断装置で測定し, 皮下脂肪計による測定値等との関連をみた. その結果, 男女で有意差 (p<0.01) があり, 年代別では, 中殿筋部で, 65歳以上と 18~ 64歳で有意差 (p<0.01, p<0.05) がみられた. 超音波診断装置による皮下組織厚 (cm) の平均値は, 三角筋部は, 男性 0.59±0.18, 女性0.71±0.23. 中殿筋部ホッホシュテッターの部位, 男性 65歳未満0.79±0.31, 65歳以上0.58±0.28, 女性 65歳未満1.05±0.41, 65歳以上0.76±0.29. クラークの点, 男性 65歳未満0.85±0.34, 65歳以上0.63±0.25, 女性 65歳未満1.16±0.42, 65歳以上0.92±0.43, 4分 3分法の部位, 男性 65歳未満1.05±0.43, 65歳以上 0.68±0.30, 女性 65歳未満1.41±0.48, 65歳以上1.20±0.68. 皮下脂肪計による測定値と超音波診断装置による皮下組織厚に強い相関関係があり, 皮下組織厚を算出する回帰式を求めた. 算出された数値が注射針刺入深度決定の指標と考えられる.