著者
宇都宮 英綱 原田 敦子 小山 智史 起塚 庸 山中 巧
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.42-54, 2021 (Released:2021-03-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1

小児頭部外傷の画像診断は虐待に起因する頭部外傷(abusive head trauma; AHT)を鑑別する意味においても極めて重要である.しかし,AHTの病態や画像診断に関しては多くの議論があり,今なお一定の見解は得られていない.本稿では,AHTを含めた小児頭部外傷の理解を深めるため,特に乳幼児期の外傷例(頭血腫,硬膜外血腫,頭蓋冠骨折および硬膜下血腫)から頭蓋冠(特に縫合)と髄膜(特に硬膜境界細胞層:dural border cell layer)の発生と解剖について検討する.加えて,急性硬膜下血腫に併発する外傷後急性脳浮腫の発生機序についても神経興奮毒性の観点から考察する.
著者
小山 晶子 小山 智史 伊東 美緒 紫村 明弘 福嶋 若菜 山﨑 恒夫 内田 陽子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.176-185, 2022 (Released:2022-10-15)
参考文献数
23

目的:地域在住高齢者の服薬支援の在り方を検討するために,服薬アドヒアランス良群・不良群別に対象者の属性を検討し,2群の服薬管理の工夫の特徴を示した.方法:地域在住高齢者55名を対象に,属性と服薬アドヒアランスに関する質問紙調査と,服薬管理の工夫に関する聞き取りおよび観察を行った.結果:服薬アドヒアランス良群は19名(34.5%),不良群は36名(65.5%)であり,全対象者が何らかの服薬管理の工夫を行っていた.【服薬指示理解と服薬の段取り】は〈服薬指示を記憶する〉など13の工夫,【薬の保管】は〈1週間分程の薬を手元に置く〉など10の工夫,【薬の飲み忘れ対策】は〈食事から服薬までを一連の流れで行う〉など9の工夫がされていた.結論:服薬管理の工夫は,個人の生活に合わせて調整されていた.したがって,看護師は対象者の生活と服薬管理の工夫を把握した上で,服薬支援を行うことが必要である.