著者
小嶋 大亮 井上 亮文 星 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.49, pp.1-6, 2014-03-06

写真活用において多くの場合,写真を整理・検索するのは撮影者本人である.既存の検索手法では,Exif を利用した 「いつ・どこで・誰が・何を」 など被写体に関連するものを検索キーとしたものがほとんどであった.そのため,撮影者の主体的な体験などを検索キーとした撮影者にとって直感的な検索手法は実現されていない.本研究では,写真撮影と同時にそのときのカメラの仰俯角を写真とともに記録し,検索時にカメラの角度を変更することで,撮影時の姿勢に近かった写真を直感的に絞り込むことができるシステムを提案する.本システムでは,撮影時のカメラの仰俯角を利用し 「どのように」 撮影したかという主体的な体験を活用することで,似たような状況で撮影された写真だけを表示するなどの新たな検索手法を実現した.評価実験の結果,多少角度のずれがあったが,仰俯角での検索が正しく行われていることを確認した.The majority of the In most cases, photo search browsers are used by the photographers themselves, and the retrieval key is based on the five Ws (Who, What, When, Where, and Why). In this paper, we propose a personal photo retrieval browser based on photographer's subjective experiences. This system sends and records the following data when a photographer press the shutter button of the camera: (i) picture, (ii) elevating/depression angle of the camera. In search phase, we can retrieve those pictures by controling the tilt angle of a physical camera. Experimental results with our prototype system indicated that the subjects could retrieve intended pictures desipte some accuracy problems.
著者
小嶋 大亮 小嶋 恭子 太田 和美 小嶋 佳彦
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.733-737, 2021-11-20 (Released:2021-12-20)
参考文献数
10

4年間の糖尿病及び皮膚脆弱症候群の既往歴を持つ14歳齢,不妊済の日本猫が突然の食欲・元気の消失を主訴に来院した.対症療法を行ったが,初診から1カ月後に猫は死亡し,病理解剖を行った.解剖時,皮膚の萎縮に加え,体幹部の皮下脂肪組織に多数の乳白色結節を認めた.また膵臓と右副腎に腫瘤を認めた.病理組織検査において,皮膚では化膿性肉芽腫性脂肪織炎及び表皮の菲薄化,真皮の疎な膠原線維及び毛包・皮脂腺の萎縮による萎縮性皮膚症を認めた.膵臓と副腎では膵腺癌と副腎皮質腺腫を認めた.本例では,化膿性肉芽腫性脂肪織炎と萎縮性皮膚症がそれぞれ,膵腺癌と副腎皮質腺腫と関与していることが疑われた.
著者
小嶋 大亮 小嶋 恭子 太田 和美 小嶋 佳彦
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.511-515, 2020-09-20 (Released:2020-10-20)
参考文献数
17

14歳齢,未去勢雄犬の会陰ヘルニア内の前立腺近傍に,多発性の囊胞状及び腫瘤状病変が認められた.病理組織学的に,囊胞は,細胞質辺縁に微絨毛様の突起を有する上皮性細胞により内張りされていた.一方,腫瘤は,薄い壁構造に支持される静脈ないしリンパ管様構造を主体とし,しばしば厚い壁に支持される動脈様構造により構成されていた.免疫組織化学では,囊胞を内張りする細胞は抗Cytokeratin AE1/AE3,CAM5.2,Vimentin及びWilms' tumor protein抗体に陽性を示し,脈管構造を内張りする内皮細胞は抗CD31及びFactorⅧ抗体に陽性を示した.エラスチカ・ワンギーソン染色により,血管壁では膠原線維と筋組織が主体に認められ,内弾性板を含む弾性線維はほとんど観察されなかった.以上の所見から,上記の犬の病変を漿膜封入囊胞と動静脈瘻と診断した.
著者
小嶋 大亮 小嶋 恭子 太田 和美 小嶋 佳彦
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.107-110, 2020-02-20 (Released:2020-03-20)
参考文献数
13

2歳齢,去勢済雄猫が,約2カ月続く頭部の脱毛と搔痒を主訴に受診した.初診時の肉眼観察において,頭頂部に厚い赤色の痂皮を伴う潰瘍性病変と,鱗屑及び毛包円柱を伴う脱毛性病変が混在性に認められた.病理検査において潰瘍性病変では表皮直下より皮下組織にかけて,おもに好酸球とマクロファージが浸潤していた.炎症巣内には,flame figureと呼ばれる好酸球浸潤を伴った膠原線維融解の所見が認められた.脱毛性病変では,軽度の表皮肥厚と正常角化性角化亢進を認め,皮脂腺周囲にはCD3陽性のT細胞とマクロファージが浸潤していた.以上から,本症例の皮膚病変を好酸球性皮膚炎及び皮脂腺炎と診断した.