著者
小川 フェネリーひとみ 上田 伊佐子 森田 敏子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.73-82, 2017-09-09 (Released:2018-04-18)
参考文献数
24

本論は,文献に示された「よい看護師」が身に付けているものは何かを明らかにし,徳の倫理に着目した考察を加えることにより,看護基礎教育における倫理教育への示唆を得ることを目的とした。医学中央雑誌Web版で1983年~2017年2月において「よい看護師」のキーワードで検索すると,原著論文9編が抽出された。調査対象は看護師3件,看護学生2件,患者や遺族2件,看護教員1件,教科書の内容変遷1件であった。「よい看護師」が身に付けている倫理の視点として【体験の自省】,【行為と判断の倫理原則】,【徳の倫理】,【公共の善】が形成された。日本で看護教育が始まって以来,教科書には,人としての特質と専門職としての特質,徳の倫理が記されていた。「よい看護師」の育成には,徳の倫理を基礎とした専門職としての知識・技術・態度の育成と倫理原則の育成の重要性が示唆された。