著者
小川 亜希子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

眼房水に含まれる生理活性物質は、緑内障の病型、あるいは眼手術などの外的環境要因によってその組成が変化し、緑内障病態や術後成績に影響を与えることが知られている。申請者は新しいオミクス解析技術を用いて、眼房水・硝子体中に含まれ緑内障病態によって組成が変化する、RNA由来の液性因子を見出した。この液性因子は従来にないカテゴリーの内在性分子群であり、その中には強力な生理活性を有しているものが存在する。本研究ではこの新規液性因子群の作用機序解析を行い、緑内障を制御する新たな分子標的を明らかにする。
著者
三木 誓雄 寺邊 政宏 森本 雄貴 樋口 徳宏 小川 亜希 白井 由美子 岡本 京子 菱田 朝陽 Donald C. McMillan
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.597-602, 2013 (Released:2013-04-24)
参考文献数
31

悪液質は「単なる栄養補給では改善できない、骨格筋喪失を伴う栄養障害」と定義される。悪液質は通常の低栄養とは異なり全身の代謝異常を伴い、治療の継続性、有効性に悪影響を及ぼし、QOLの低下のみならず生存期間の短縮をも、もたらす。これまで悪液質はがん終末期の病態と考えられてきたが、比較的早期の段階から出現し、病期に依存しない予後不良因子であることがわかってきた。20世紀半ばより悪液質に対する強制的経腸あるいは経静脈栄養が試みられてきたが、有効性を示すエビデンスは得られなかった。近年全身性炎症を制御する目的でEPAが悪液質の治療に用いられるようになった。しかしながらQOLを向上させるエビデンスは示されているものの生存期間の延長に関しては一定の見解は得られておらず、今後治療開始時からの免疫栄養療法の早期導入や分子標的治療を初めとする抗腫瘍療法との組み合わせなどが期待されている。