著者
松木 秀明 榎 悦子 小川 哲平 瀧脇 収二
出版者
東海大学
雑誌
紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
no.7, pp.53-58, 2001

ブラジルには100万人以上の日系人が在住し、そのうち約70%の日系人がサンパウロに居住している。本研究はサンパウロの日系移民を対象とし、食事、喫煙、飲酒等のライフスタイルと健康状態との関連について調査を行った。調査はサンパウロ市内の日系病院の簡易人間ドックを訪れた301名(男性:130名、女性171名)を対象に、食事・喫煙・飲酒などのライフスタイルに関する質問調査を実施し、同時に身長・体重・血圧・総コレステロール・中性脂肪等の血液検査を実施、対照群は性・年齢をマッチさせた日本在住の日本人とした。その結果、日系人の体重・BMI・最高血圧・最低血圧・総コレステロール・中性脂肪が日本人に比べ有意に高レベルであった。また日常の肉類・卵類の摂取レベルも日本人より多量であった。日系人は日本人に比べ、虚血性心疾患などが高率であると報告されている。本調査からも、ライフスタイルの変化が生活習慣病の成因として関与している可能性が示唆された。