著者
林 奉権 徳永 勝士 中地 敬 小川 貴彦
出版者
公益財団法人放射線影響研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

原爆被爆者の胃がん(腸型とびまん型)、大腸がん(近位結腸がんと遠位結直腸がん)および乳がんについて放射線関連がん発生に対する遺伝的背景の影響を調べた結果、IL10遺伝子型が放射線に関連するびまん型胃がんの発生に関係するかもしれないこと、CD14とIL18遺伝子型が放射線関連遠位結直腸がんと近位結腸がんの発生、ATM遺伝子型が放射線関連乳がん発生に関連する可能性を見出した。また、原爆被爆者の血液細胞内活性酸素(ROS)レベルに対する年齢と放射線被曝の影響を調べた結果、特にCD8+ T細胞の活性酸素レベルが年齢と被曝線量により増加しIL6R遺伝子型によって有意に異なることを見出した。
著者
頼岡 徳在 小川 貴彦 金原 幸司 小田 弘明 浜口 直樹 高杉 敬久 重本 憲一郎 有田 美智子 原田 知
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.319-322, 1990-03-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

慢性糸球体腎炎を原疾患とする慢性血液透析 (HD) 患者30例 (男性20例, 女性10例, 平均年齢31.8±6.1歳) および健常者50例 (男性31例, 女性19例, 平均年齢32.4±5.9歳) の血中可溶性インターロイキン2レセプター (IL-2R) をELISA法を用い測定した.その結果, HD患者においては, 1. 血中可溶性IL-2Rは1,349.2±497.9U/mlであり, 健常者の157.4±46.5U/mlに比し, 有意の高値が認められた. 2. 血中可溶性IL-2RとCD3との間には有意の正の相関が認められた. 3. 排尿が全くみられない群では排尿がみられる群に比し, 血中可溶性IL-2Rの高値の傾向が認められた. 4. 血中可溶性IL-2Rとβ2-microglobulinとの間には有意の正の相関が認められた.以上より, HD患者の血中可溶性IL-2Rの高値の機序として免疫異常, 尿中排泄低下等が示唆された.