著者
秋山 隆志郎 小平 さち子
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
放送教育研究 (ISSN:03863204)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.31-42, 1988-06-30 (Released:2017-07-18)

低年齢幼児のためのテレビ番組開発の一環として,ごく短いアニメ「こんなこいるかな」を制作した。このアニメは,実験室内の研究では,高い注視率であった。しかし家庭でもよく注視されるか,また幼児に好まれたかどうかは,実験室内のデータのみでは明らかにならない。そこで,一次調査(昭和61年11月)と二次調査(昭和62年2月)の2回にわけて,2歳〜3歳の幼児,約270人に,家庭でこれを見てもらい,反応を調査した。また,家庭において,テレビ「こんなこいるかな」を見るだけでなく,同じキャラクターの載っている月刊雑誌を付加情報として配布した場合,幼児の視聴行動は,どう変化するかも確かめた。
著者
秋山 隆志郎 小平 さち子
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
放送教育研究 (ISSN:03863204)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.31-42, 1988

低年齢幼児のためのテレビ番組開発の一環として,ごく短いアニメ「こんなこいるかな」を制作した。このアニメは,実験室内の研究では,高い注視率であった。しかし家庭でもよく注視されるか,また幼児に好まれたかどうかは,実験室内のデータのみでは明らかにならない。そこで,一次調査(昭和61年11月)と二次調査(昭和62年2月)の2回にわけて,2歳〜3歳の幼児,約270人に,家庭でこれを見てもらい,反応を調査した。また,家庭において,テレビ「こんなこいるかな」を見るだけでなく,同じキャラクターの載っている月刊雑誌を付加情報として配布した場合,幼児の視聴行動は,どう変化するかも確かめた。
著者
宇治橋 祐之 小平 さち子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.48-77, 2018 (Released:2018-07-20)

NHK放送文化研究所では、全国の学校現場におけるメディア環境の現状を把握するとともに、放送・ウェブ・イベントなどNHK教育サービス利用の全体像を調べるために、「教師のメディア利用と意識に関する調査」を2013年度から実施している。2017年度は全日制、定時制、通信制課程の高校と中等教育学校を対象として、教師個人の調査を実施した。本稿では全日制(理科、地歴科、国語科、外国語科)の結果を中心に、中等教育学校後期課程(理科、地歴科)で特徴的な結果も紹介する。調査結果から、インターネットに接続したパソコンをプロジェクターなどの提示機器に投影できる教室のメディア環境は、課程・教科に関わらず整いつつあることがわかった。メディア教材の利用は、外国語、理科、社会、国語の順に多く、理科と社会では放送番組などの動画教材の利用が多く、外国語と国語ではラジオやCDなどの音声教材の利用が多い傾向がみられた。『NHK高校講座』またはNHK for Schoolの、放送番組あるいはウェブサイトの動画などのコンテンツを利用した「NHK高校講座・NHK for School教師利用率」は全日制理科で25%、全日制社会で12%であった。また、いわゆるアクティブ・ラーニング「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」をよく実施していると回答した教師のほうが、メディアの機器やメディア教材の利用が活発であることも明らかになった。
著者
小平 さち子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.18-37, 2019 (Released:2019-03-20)

“子どもとメディア”はいつの時代にも関心の高いテーマといえるが、本稿ではインターネットの本格的な普及が子どもたちの生活に様々な変化を及ぼしてきた2000年以降に注目して、国内で実施された調査研究動向の整理・分析を試みた。日常生活におけるメディア接触実態に関する調査、メディアの影響を明らかにするパネル調査や実験研究、子どもの学習とメディア利用をめぐる調査研究について、小学生以上対象と乳幼児対象に分けて、多様な調査研究について、具体的に取り上げた。その結果①スマートフォンやタブレット端末等新しく登場したメディアへの関心が高いこと、②乳幼児を対象とする研究への関心が高まってきたこと、③パネル調査が重視されるようになったこと、④メディア接触の影響を検討する際に、量的側面だけでなく番組やコンテンツの内容・描写といった質的側面への注目が高まったこと、⑤研究成果を授業・保育・保護者の啓蒙等の教育プログラムに反映させる枠組みが意識されるようになってきたこと等を、この時期の“子どもとメディア研究”の特徴として挙げることができた。1990年代までの課題に応える形で調査研究が進められてきたといえるが、今後のさらなる発展に向けて、研究の枠組みの検討や研究手法の開発、長期にわたる調査研究環境の確保・充実に向けた工夫が必要であり、研究を深めるにあたっては常に“子ども”を捉える視点に考えをめぐらし、多様な分野の研究者との交流と議論の中で自らの研究を高めていくことが重要と考えられる。