- 著者
-
小形 正男
- 出版者
- 一般社団法人 日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.11, pp.893-901, 1994-11-05 (Released:2008-04-14)
- 参考文献数
- 81
一次元強相関電子系のモデルとして,ハバードモデルとt-Jモデルをとり上げる.とくに基底状態の波動関数についての理解が,この5年間で急速に拡がった.このことを中心に,個人的な感想を交えながらまとめてみました.(1)一次元系に特徴的なスピンと電荷の分離が,波動関数にどのように現れるか?(2)二次元を含む高次元への変分関数として拡張が可能かどうか?という二つの点を念頭に置きながら波動関数を見ていくことにする.Gutzwiller-Jastrow型の波動関数,Laughlin波動関数との類似性,RVB状態との関係について議論する.