著者
小松 一貴 野村 国彦 浅井 義之 佐古田 三郎 野村 泰伸 野村 泰伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.460, pp.37-42, 2010-03-02
被引用文献数
1

本研究の目的は,ヒト静止立位姿勢の制御メカニズムに関する仮説である,PD制御モデルおよび間欠制御モデルの妥当性を検証することである.そのために,静止立位状態の健常被験者の足裏に対して左右足圧分布の変化に応じた微小な機械的刺激を与え,それに対する重心動揺応答を計測した.計測により得られた重心動揺を,両モデルのシミュレーションと比較した結果,足裏皮膚感覚に姿勢変化に関する情報を有する刺激を加えた場合の重心動揺の性質の変化は,PD制御モデルよりもむしろ間欠制御モデルによってより良く再現され,適切な刺激により,足裏皮膚感覚から得られる姿勢の傾きに関するフィードバック入力が増強されることがあることが示された.
著者
水野 篤 西 裕太郎 山添 正博 小松 一貴 浅野 拓 増田 慶太 新沼 廣幸 丹羽 公一郎
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.1083-1089, 2014

背景 : 過去に抗凝固薬における内服薬種類変更に伴うアドヒアランスの変化をみた研究はない. 今回心房細動患者における抗凝固薬のアドヒアランスを薬剤変更前後でアンケート調査にて確認した.  方法 : 心房細動において, 抗凝固薬を内服している患者のうち, リバーロキサバンに変更した患者全例を対象とした. リバーロキサバン開始時と次回約3カ月後の外来時にアドヒアランスに関するアンケートを行った.  結果 : 対象患者は40人 (平均年齢70.1歳, 男性7割). 変更前の抗凝固薬はアスピリン1人 (2.5%), ダビガトラン30人 (75%), ワルファリンが9人 (22.5%) であった. アンケート結果では, 開始前にも32.5%の患者が内服し忘れたことがあり, 3カ月の間に2.47±4.0回内服忘れることがあるということであった. 変更後のアンケート結果では3カ月間での薬を飲まなかった回数/日数のみ1.1±2.2回と有意に低下していた (p=0.008). アスピリン・ワルファリン群では有意に変化せず (p=0.285), ダビガトランからの変更群でのみ有意に3カ月間での薬を飲まなかった回数は改善した (p=0.018). 内服回数が2回以上の群では2.1回±3.6回から1.0±1.6回まで減少傾向を認めるものの, 有意差はなく (p=0.066), 内服回数が1回の群2.9±4.5回から1.2±2.6回に有意に減少した (p=0.046).  結論 : リバーロキサバン変更により内服を忘れる回数は有意に減少し, アドヒアランスによい影響を及ぼすと考えられた. さらにその効果は特にすべての内服薬を含めた服用回数が1回のものに顕著であると考えられる.