著者
小松 一貴 野村 国彦 浅井 義之 佐古田 三郎 野村 泰伸 野村 泰伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.460, pp.37-42, 2010-03-02
被引用文献数
1

本研究の目的は,ヒト静止立位姿勢の制御メカニズムに関する仮説である,PD制御モデルおよび間欠制御モデルの妥当性を検証することである.そのために,静止立位状態の健常被験者の足裏に対して左右足圧分布の変化に応じた微小な機械的刺激を与え,それに対する重心動揺応答を計測した.計測により得られた重心動揺を,両モデルのシミュレーションと比較した結果,足裏皮膚感覚に姿勢変化に関する情報を有する刺激を加えた場合の重心動揺の性質の変化は,PD制御モデルよりもむしろ間欠制御モデルによってより良く再現され,適切な刺激により,足裏皮膚感覚から得られる姿勢の傾きに関するフィードバック入力が増強されることがあることが示された.
著者
浅井 義之 北野 宏明
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.16, pp.1-3, 2012-06-21

システムバイオロジー,統合的生命科学という新しい研究分野の発展にともない,多階層的な生理機能の数理モデルならびにそのシミュレーションが果たす役割の重要性が増してきていろ.本稿では,そのようなモデル開発ならびにシミュレーションをサポートするために提案されたモデル記述言語 PHML,ならびにアプリケーションである PhysioDesigner ついて概説する.PhysioDesigner は,ユーザーがグラフィカルなインターフェイスを用いて階層的生理機能の数理モデルを構築できるモデリングプラットフォームである.モデルは PHML 形式で保存される.これらのモデルのシミュレーションは Flint と呼ばれるアプリケーションを用いて実行できる.また, PHML と互換性のある ISML 形式のモデルデータベースが physiomejp で公開されている.これらのツール群により統合的生命科学におけるモデリングならびにシミュレーションをサポートする.As new interdisciplinary scientific research fields such as integrated life science is advancing, the importance of mathematical modelings and simulations of multilevel physiological systems are increasing. This article introduces a software application PhysioDesigner and model description language PHML which have been developed for supporting such modeling and simulations. PhysioDesigner provides graphical user interface to build models of physiological functions. Those models created on PhysioDesigner were written in PHML format, which is a specification of XML. Simulations on the models can be done with Flint application which has been developed concurrently with PhysioDesigner. Flint can perform a parallel computing for big simulations. In Physiome.jp, there is a model database of ISML which is XML based modeling language perfectly compatible with PHML.
著者
浅井 義之 安部 武志 松岡 由希子 Ghosh Samik 北野 宏明
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.386-396, 2014-11-25 (Released:2015-02-27)
参考文献数
21

システムバイオロジーとは生物のシステムレベルの原理を理解しようとする研究分野である。この研究ではウェット研究とドライ研究が連動し、精緻なモデル開発、複雑なシミュレーション、データ解析など計算科学的アプローチが重要な役割をはたす。このためソフトウェアによる強力なサポートが研究の進展には欠かすことができない。本稿では、著者らが開発を進めるソフトウェアを含め、システムバイオロジーに有用であろうソフトウェア・プラットフォームについて紹介する。