- 著者
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小林 雅彦
水野 泰之
森 大祐
馬谷 直樹
- 出版者
- 日本肩関節学会
- 雑誌
- 肩関節 (ISSN:09104461)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.2, pp.513-517, 2016
肩甲下筋腱(SSc)断裂の診断は困難なことが多い.我々はSSc断裂の診断精度を上げるため,MRI 上SScと肩甲骨(Sc)間に生じるT2 highの間隙である“Gap sign(GS)”に注目した.本研究の目的は,前向き研究によりGSのSSc断裂に対する診断精度について検討することである.<BR> 2014年にARCRを施行した42肩(平均年齢63.2±10.2(SD)歳)を対象とした.単純MRI のoblique-saggital像において,scapular-Y viewから外側10mmにおいて,SScとSCの間に生じるT2強調像での高輝度領域をGSと定義した.術前にGS陽性か陰性か判定し,手術時にSSc断裂の有無を診断し,GSの精度を検定した.<BR> GS陽性24肩・GS陰性18肩で,SSc断裂ありが23肩,なしが19肩.感度91.7%・特異度94.4%・PPV 95.6%・NPV 89.5%であった.<BR> GSはSSc断裂を予測する優れた方法といえる.