著者
小森 一輝 コモリ カズキ Komori Kazuki
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
no.90, pp.98-111, 2019-03

実践報告『羅生門』『枕草子』を通し、現代文・古文・漢文の関連性を明示的に指導する実践を行った。現代の日本語は、歴史的な日本語の上に成立したものである。ゆえに、現代文と古文・漢文との関連を自覚することは、国語の学習において重要な観点となる。しかし、国語教科書の単元は、現代文・古文・漢文に大別されており、これらの関連は必ずしも明記されていない。したがって、単元間の関連性や連続性を明示的に指導する必要がある。このような指導を行うにあたっては、従来、補助教材の発掘や作成が教員の負担となることが課題とされていた。稿者は、インターネットを用いて補助教材の発掘を行い、デジタルアーカイブが国語科の補助教材として有用であることを示した。
著者
小森 一輝 城阪 早紀 八木 智生
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.7, no.s2, pp.s150-s153, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
9

本発表は古典教育において、古典本文と絵画資料の比較検討という、デジタルアーカイブコンテンツの活用モデルを提案するものである。従来、デジタルアーカイブの教育活用においては、教育内容とコンテンツとの紐づけが課題となっていたが、発表者らが実践した古典の授業モデルでは、コンテンツと教育内容との紐づけが比較的容易で汎用性があることを示す。さらに、この数年でICT環境が急速に整備されたことにより、学習者が自身の端末でコンテンツを操作したり編集したりと、コンテンツを教材として活用しやすくなった。このようなコンテンツの積極的活用は、学習者のデジタルメディアリテラシーを向上させるだけでなく、学習者が古典に関するコンテンツを享受し、それを発展させていく継承者としての態度や技能を育成するためにも有効であると考える。