著者
益岡 了 尾関 圭 小森 久栄 尾崎 洋
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.181, 2008 (Released:2008-06-16)

現在、3DCG の技術は以前と比べ、コンピューターの性能向上、ソフトウェアの技術向上により急速な発展を遂げ、より精微な表現が可能となった。そこで日本画を調査、研究し、現代の3DCG 技術を使い日本画の持つ独特な表現を再構築することで、新しい日本画的3DCG表現の可能性と、視覚的な親和を目指した。3DCG アプリケーションをそのまま使用しただけでは、日本画的な表現の再現が困難であるために、レンダリング表現の一つである、トゥーンレンダリング技術の活用について検討した。そして基本的なトゥーンシェーダーを改良し、「筆画風トゥーンシェーダー」の開発を行い、輪郭線線の幅を手描きのように自然な風合や日本画の持つ柔らかい陰影表現を含んだ日本画的な表現を可能にした。日本画と西洋的な技術を持った3DCG の融合は、日本独自の芸術表現形の可能性の一つであると考える。