著者
渡辺 大介 永見 豊
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.106, 2008 (Released:2008-06-16)

現在、住宅街での物取り、痴漢さらには子供を狙ったような犯罪を多く目にするようになった。公園では、秩序違反が犯罪の呼び水となっていたり、遊具の老朽化により利用者の事故が起きていたり、樹木の管理が不十分で景観面が低下している場所などがある。公園は、子供達をはじめ多くの住民が利用する場所のため、特に防犯面・安全面を向上することが必要になる。また、憩いの場所として、景観面への配慮も必要になる。それらは公共施設である公園を多くの人に安心して利用してもらい、自分の住んでいる街に愛着心を持ってもらい、住みやすい街づくりへとつながることになる。 そこで、本研究では防犯、安全、景観の向上に必要な要素を整理し、利用者別に特化した公園を計画し、誰もが安心、安全、快適に利用できる公園の提案を行った。
著者
田中 法博 禹 在勇 住田 融 更科 友啓 平野 真菜実
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.182, 2008 (Released:2008-06-16)

本稿では,日本刀表面の表面粗さや反射モデルパラメータなどの反射特性を精密に推定するための手法を提案する.日本刀表面の反射特性を推定するために,日本刀表面の光反射を計測するシステムを開発する.このシステムは,光源システム,回転アーム,カメラシステムから構成されている.日本刀表面の反射特性を知ることは,反射光分布と反射モデルとのフィッティング問題に帰着する.つまり,反射光の計測データから光反射モデルの未知パラメータを推定することにより日本刀の反射特性を定量化する.
著者
後藤 吉郎 森 啓 横溝 健志
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.93, 2008 (Released:2008-06-16)

19世紀中葉、上海美華書館においてWilliam Gambleは近代活版印刷技術を確立し、中国と日本の文化に多大な貢献をしたが、彼自身の記録は曖昧なままである。本研究は、W. Gambleの生い立ちから没するまで、その生涯を解き明かし、その間に起きた特記すべき点を織り込みながら印刷家としての功績をさらに浮き彫りにしたい。このための調査は、当時の資料がそのままの状態で保管されている米国議会図書館の協力で行われた。 この調査の結果、当時の種字(木活字)や活字さらにはGambleの肖像写真、その他多くのマニュスクリプトが発見され内容が精査された。 したがって、これまで実在しないと思われてきた電胎法にかかわる当時の資材について、さらには肖像写真等についても、初の公開となる。 本研究では、近代活版印刷の基礎を築いたGambleの印刷家としての実像に迫るとともに、近代活版印刷史の原点と潮流を解明することを目的としている。
著者
林 佳音 岡本 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.50, 2008 (Released:2008-06-16)

ユビキタス社会が進むにつれ,外国人観光客でも旅行先で多様な情報を即座に手に入れることが可能になった.また,豊かな国の観光客は団体行動に拘束されることなく,自由な個人旅行を望む傾向にある.そのため,昨今の観光客のニーズは著しく変容している.観光案内情報をグローバルな視点で再検討する必要がある.しかし,現在の観光案内における地図や観光地の様々な情報は文化の差異などの問題によって、実際の空間に認知的な混同を起こしている場合が多い.従って,異なる文化圏の利用者でも使いやすい観光案内の情報システムのデザインが一層重要になってくると思われる. 一方,函館市は外国人観光客にも優しい観光振興政策を実施していて,特に,台湾-函館間の交流は益々盛んになっている.海外からの観光客のために有効な観光案内デザインは観光客の現実の観光体験からニーズを解明すべきである. 本研究では,シナリオの要求分析を通じ,函館市西部地区の観光環境に対して,観光客の経路探索における行為やニーズを解明することを目的とする.台湾人の観光客が体験したユーザストーリから,観光活動に関する要求事項や問題点を分類し,集約する.また5W1Hの方法で概念シナリオを作成した.函館市西部地区の観光活動に注目し,特にグローバルな視点から,観光客の要求事項や問題点抽出する研究を行った.
著者
太田 幸夫
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.99, 2008 (Released:2008-06-16)

薬の正しい服用指示はこれまで、病院ないし薬局で入手する薬の容器または紙袋に文字で表示されてきた。その文字表記の意味内容を正しく理解し、正しく服用することは、全ての人にとって極めて重要でありながら、実際には困難が伴っていた。用語の難しさ、小さな文字による視認性と可読性の低さ、言語の違いなどが主な原因であった。 本研究では、薬の服用者の年齢差や、多国籍化や輸出入などを考慮し、教育程度や国語の違い、視覚障害や表示スペースの制約などを克服し、全ての人にわかりやすい薬の服用指示を可能とする視覚言語デザインを研究・開発する。さらにそのデザイン成果の国際標準化をめざす。
著者
松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.1, 2008 (Released:2008-06-16)

従来,デザイン学研究は対象に依存したデザイン方法や技術の研究が主流であり,デザイン対象に依存しない一般性を有するデザイン理論や方法論に関する研究は少ない.吉川らの一般設計学はその基盤をなすものであるが,デザイン科学の枠組み構築のためには,これにつづくさらなる研究が不可欠となる.本報では,今後のデザイン科学の枠組み構築の一助とすべく,デザイン理論の枠組みとしての多空間デザインモデルの概要を提示する.そして,同モデルのデザイン科学の枠組みにおける位置づけを示すとともに,同モデルに基づくデザイン推論の枠組みの構造を明示する.
著者
佐藤 浩一郎 松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.13, 2008 (Released:2008-06-16)

デザイン過程を,概念デザインや基本デザインが含まれるデザイン上流過程と,詳細デザインなどを含むデザイン下流過程の2つに大別すると,それらは以下の異なる特徴を有している.まず,上流過程においては不明確なデザイン目標や制約条件のもと,デザイナーの経験に基づく知識や直観を用いて,試行錯誤的に広い解空間から多様なデザイン解の探索が行われる.そして,下流過程においては明確化されたデザイン目標や制約条件のもと,合目的に狭い解空間から唯一のデザイン解の探索が行われる.この下流過程は,デザイナーの直観に依存する部分はあるものの,最適化法やCADなどの活用によりデザイン行為に合理化がもたらされている.一方,上流過程は,いまだその多くをデザイナーの直観に依存しており,大域的な解探索を可能とする数理手法や,それを前提とした逆問題の解法を可能とする設計研究の進展が必要とされている.本報では,このようなデザイン上流過程およびデザイン下流過程に適用可能な人工物デザインである「創発デザイン」と「最適デザイン」の概念を示し,それぞれの適用条件や適用可能なデザイン問題について示した.
著者
村本 政忠 有賀 義之 古屋 繁 工藤 芳彰
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.96, 2008 (Released:2008-06-16)

PC周辺機器には,使用にあたり特別な設定が必要ないものと初期設定や環境設定が必要で,設定の際にPCに関する特別な知識が求められるものもある。メーカは,初期設定や環境設定に関する方法をマニュアルやWEBを通して提供しているが,カスタマサポートセンタへと助言を求めてくるということは,それがうまく機能していないことを示唆している。本研究は,サポートセンタの回答データから,設定そのものやその伝え方の特性を抽出することによって,簡単な設定や情報の伝え方をデザインする方向性を抽出しようとするものである。製品の対象は,「無線LANルータ」「ネットワークメディアプレーヤ」である。 回答データから,オペレータが行った,操作手順の誘導の中から,重複する項目を除いた単文をキーセンテンスとして抽出し,それ同士がどのような順で説明されているかを,有向性をもつ関係を示すものと考え,Dematel法で分析した。問い合せ内容と,その問い合せ内容の際に出現するキーセンテンスとの対応関係にその出現頻度を加えたデータをもとに,コレスポンデンス分析を行った。この結果,一般的な知識で行える設定グループと専門的な知識が必要になる設定グループがあることがわかった。一般的な知識が必要な操作に関しては行えるが,ユーザの知識の欠落から専門的な知識が必要になる操作については行うことができない。このため専門的な知識が必要な操作に関してはサポートが必要である。
著者
益岡 了 尾関 圭 小森 久栄 尾崎 洋
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.181, 2008 (Released:2008-06-16)

現在、3DCG の技術は以前と比べ、コンピューターの性能向上、ソフトウェアの技術向上により急速な発展を遂げ、より精微な表現が可能となった。そこで日本画を調査、研究し、現代の3DCG 技術を使い日本画の持つ独特な表現を再構築することで、新しい日本画的3DCG表現の可能性と、視覚的な親和を目指した。3DCG アプリケーションをそのまま使用しただけでは、日本画的な表現の再現が困難であるために、レンダリング表現の一つである、トゥーンレンダリング技術の活用について検討した。そして基本的なトゥーンシェーダーを改良し、「筆画風トゥーンシェーダー」の開発を行い、輪郭線線の幅を手描きのように自然な風合や日本画の持つ柔らかい陰影表現を含んだ日本画的な表現を可能にした。日本画と西洋的な技術を持った3DCG の融合は、日本独自の芸術表現形の可能性の一つであると考える。
著者
中塚 慧 松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.19, 2008 (Released:2008-06-16)

近年,ニーズの多様化や市場のグローバル化に伴い,人工物を取り巻く場は多様化している.ここで場とは,製品を取り巻くヒト,モノ,環境に含まれる全ての要素および要素間の関係である.例えば,椅子の例では,従来考慮されてきた平均的な体格や着座姿勢だけではなく,体格,着座姿勢,および使用目的の多様性を考慮する必要がある.このため,多様な場に対応可能な製品を開発する方策が求められている.一方,上記の問題を解決する方策としてロバストデザインが注目されている.ロバストとは,「頑強な」または「頑丈な」という意味であり,ロバストデザインとは,場の変化による製品の様々な変動に対して,機能の安定性(頑強性)が確保された製品を作ることを目的としたデザインである.本研究では,ロバストの意味,ロバストデザインの概念,およびロバストデザイン法を紹介することにより,本デザインにおける概念を説明した.
著者
長沢 幸子 長沢 伸也
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.87, 2008 (Released:2008-06-16)

本研究では、日本のファッションイラストレーションがメディア特にマスメディアに掲載されて流通するようになった出発点は、江戸時代の浮世絵版画にあると考えた。そこで本研究では、浮世絵版画以降現在までの日本のファッションイラストレーションが発表されたメディアについて調査し明らかにすることを試みた。そして、ファッションイラストレーションはメディアに掲載されて発表・流通される以上、両者は切り離せない関係にあることを明らかにした。また、従来のマスメディアに加え、新たなメディアの発達・変容は、今後ファッションイラストレーションの表現技法および作品に影響を与えると予測される。作品制作を行う者は、ファッションイラストレーションの基礎技法を押さえた上でのさらなる新技術習得および作品内容深化の努力が欠かせないと考えられる。
著者
野宮 謙吾 齋藤 美絵子 西田 麻希子 西垣 浩行
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.183, 2008 (Released:2008-06-16)

近年の実践事例にも見られるように国公立大学においては、独立行政法人化以降の「新たなイメージづくり」が大きな課題となっている。本研究チームでは、まず国公立大学を中心に大学におけるVI(ビジュアルアイデンティティ)に関する研究を行い、大学の理念がどのような手法によって視覚造形化されているかについて調査分析を行った。また、大学のイメージとVI及び広報・広告の関係について他大学の事例調査を行うとともに、岡山県立大学(以下、本大学)のイメージについてアンケート調査を実施した。本研究では、これらの分析結果を参考に、本大学VIの整備に取り組んだ。まず、シンボルマーク及びロゴタイプ等ベーシックデザインを策定し、次に名刺、封筒他アプリケーションデザインへの展開を試みた。
著者
齋藤 美絵子 嘉数 彰彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.132, 2008 (Released:2008-06-16)

近年、映画やテレビドラマのロケ誘致が地域経済に与える影響について注目され、地域を広くアピールできイメージアップにもつながるとして、全国各地でロケ誘致合戦を繰り広げている。また、ロケを誘致・支援するフィルムコミッションの設立も盛んで、その団体数は全国で100を超え増加の一途を辿っている。 本研究では、このロケ誘致における効果的なプロモーションコンテンツとはどのようなものかを探り、提案する。また、ロケ誘致に有効と考えられるプロモーションコンテンツの制作を産官学連携事業として取組むメリットも明らかにしたい。また、制作したプロモーションコンテンツはロケ誘致を目的とするに留まらず、観光振興に有効であるものを目指す。