著者
黒江 和斗 小椋 幹記 園田 悟 三村 保
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.31-36, 1995-04-30 (Released:2011-02-09)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

Morphological features of the mandible were evaluated by cephalometric analysis of 44 patients with surgically operated skeletal mandibular protrusion. The results were as follows:1. The mandibular condyle was narrow and long and the condyle was high in the mandibular protrusion. Mandible and mandibular body were long, mandibular notch was deep, gonial angle was wide and the ramus inclined forward.2. The small anteroposterior diameter of the mandibular condyle were related to the long mandibular length, the long mandibular body length, the high ramus height and the forward inclined ramus. High condylar height was related to the long mandibular length, the short anteroposterior diameter of the ramus, the wide gonial angle and the forward inclined ramus.3. From these findings, it might be suggested that the mandible in patients with surgically operated skeletal mandibular protrusion had the characteristics of underdevelopment.
著者
中山 二博 濱坂 卓郎 大勝 貴子 梶原 和美 小椋 幹記 黒江 和斗 伊藤 学而
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.49-57, 2003
被引用文献数
7

近年,増加している成人女性の矯正治療に伴う問題点を調査するため,鹿児島大学歯学部附属病院矯正科では,就業女性の矯正治療モニターを募集した。矯正治療モニターに応募した123名のうち,モニター選考の口腔診査に参加した67名にアンケート調査を行い,矯正治療を受けようと決めた動機と矯正治療モニターに応募した経緯を分析した。矯正治療の動機は,歯並びの見た目が悪い97%,顔貌が気になる66%,歯磨きがしにくい64%などであった。歯並びが気になり始めたのは13〜15歳,顔貌が気になり始めたのは16〜18歳であった。対象の90%は矯正治療の未経験者で,治療を受けなかった理由は治療費が高い82%,治療期間が長い75%などであった。応募の動機は,モニター募集に触発された88%,治療費が減額される78%,大学病院だから安心73%などであった。治療を始めようと思った理由は,モニター募集があったから82%,経済的余裕ができた46%,大人でも治療できると分かった39%などであった。モニター応募者には10代から審美的改善への欲求があった。受療に至らなかった理由として費用,治療期間などのほか,成人は矯正治療できないと考えていた者が3割もあり,矯正治療に対する正確な情報が不足していることが明らかになった。矯正治療モニターの募集が,結果的に成人の矯正治療に関する情報不足の解消と,潜在的治療希望者に受療のきっかけを与えた。