著者
白鳥 嘉勇 小橋 史彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.658-667, 1987-06-15

本報告は 文字キー数が少なく かつシフトキー操作を必要としない利点を有するローマ字入力について日本語入力に適したキー配列を検討したものである.キーボードの打けん速度を向上することをねらいとして ?交互打けん率の向上 ?キーストローク数の低減 ?ホーム段キー使用率の向上 ?各指使用率のバランス ?同指段越え打ちの減少の5項目を設計指針として取上げた.この結果 子音と母音を左右に分離し かつ1キーに複数の文字を割りつけた複合キーを含む3段10列のローマ字配列を得た.この配列の交互打けん率は91% ホーム段キー使用率は68%であり 従来のQWERTY配列を用いたローマ字入力の場合(同:各69 29%)に比べて高い操作特性値を有する.3名の被験者について操作実験を行った結果 文字入力速度の習熟曲線は各被験者とも早い立上り特性を示した.うち1名のかな文入力速度は 約330時間の練習後に 240字/分(360ストローク/分)の高い値に達した.また エラー率は 練習によって0.5%に低下し操作上の問題はみられない.以上のことから 本配列が日本語入力に適していることが分かった.
著者
白鳥 嘉勇 小橋 史彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.658-667, 1987-06-15
被引用文献数
7

本報告は 文字キー数が少なく かつシフトキー操作を必要としない利点を有するローマ字入力について日本語入力に適したキー配列を検討したものである.キーボードの打けん速度を向上することをねらいとして ?交互打けん率の向上 ?キーストローク数の低減 ?ホーム段キー使用率の向上 ?各指使用率のバランス ?同指段越え打ちの減少の5項目を設計指針として取上げた.この結果 子音と母音を左右に分離し かつ1キーに複数の文字を割りつけた複合キーを含む3段10列のローマ字配列を得た.この配列の交互打けん率は91% ホーム段キー使用率は68%であり 従来のQWERTY配列を用いたローマ字入力の場合(同:各69 29%)に比べて高い操作特性値を有する.3名の被験者について操作実験を行った結果 文字入力速度の習熟曲線は各被験者とも早い立上り特性を示した.うち1名のかな文入力速度は 約330時間の練習後に 240字/分(360ストローク/分)の高い値に達した.また エラー率は 練習によって0.5%に低下し操作上の問題はみられない.以上のことから 本配列が日本語入力に適していることが分かった.
著者
本間 茂 山階 正樹 小橋 史彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1062-1068, 1986-11-15
被引用文献数
18

べた書き文のかな漢字変換では 文節分かち書きの場合に比較して同音語によるあいまいさがあるばかりでなく 分かち書き処理を自動的に行うことによるあいまいさも生じ 膨大な数の文解釈候補が発生する.このため文節内に閉じた形態素情報を利用した従来の解析法だけでは文解釈候補を十分には絞り込めないという問題があった.本論文では こうした問題を解決する手段として 単語単体の属性だけでなく単語間の関係を用いる連語解析を提案し その方法を用いたかな漢字変換法について述べる.本方式ではべた書きかな文から漢字かな混じり文への変換の基本処理に文節数最小法を用い さらに 単語数最小という条件から候補を絞り込んだ上で連語解析を行い 最終候補の絞り込みを行う.また 連語解析に用いる連語辞書を自動生成する方法を実現し 国語辞典などの用例約30万件から係り受け関係にある単語の組を約30万5千件自動抽出した.これらを適用したべた書き文のかな漢字変換プログラムを作成し 実験を行った結果 新聞社説(約5 500字)を対象に平均文解釈候補数を文節数最小法の約1/7?1/10まで絞り込むことができ 本方式が有効であることがわかった.