著者
石井 亜矢乃 和田 耕一郎 狩山 玲子 小比賀 美香子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

再発性尿路感染症に対する乳酸菌膣坐剤の有効性に関する臨床研究ならびに実験研究を実施した。臨床研究では、反復性膀胱炎患者に乳酸菌膣坐剤を投与し、投与前より有意に再発回数が減少した。次世代シーケンサーによる解析で、膣より乳酸菌(Lactobacillus crispatus)が確認できる症例もあった。実験研究では尿路バイオフィルム(緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌)に対する乳酸菌と各種抗菌薬の評価を行った。乳酸菌によるバイオフィルム形成抑制効果を認め、抗菌薬併用下で乳酸菌による抑制効果はさらに増強した。以上より、再発性尿路感染症に対して乳酸菌膣坐剤は有効な予防法・新規治療法に繋がることが示唆された。