著者
小池 清治
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.61-72, 2005-10-03

YOSHIDA Kenkou, famous essayist in medieval Japan, made his best work useing three kinds of wrting style, namely classical Chinese, classical Japanese and mixed style. In other words, he build out The Kinkakuji, The Golden temple useing three kinds of ancient Japanese language.
著者
小池 清治
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
no.19, pp.147-153, 2005-03

第1期ナショナリズム 8世紀初頭、国体改革と『古事記』の漢語和語混交体の創造。第2期ナショナリズム 10世紀初頭、国風文化勃興と『古今集』「仮名序」等、和文の創造。第3期ナショナリズム 12世紀末期、律令制度から封建制度へ。漢字カタカナ交り文の発達。第4期ナショナリズム 13世紀後半「元寇」と漢字ひらがな交じ文の発達。第5期ナショナリズム 16世紀末から17世紀初頭、鎖国。写本の筆記体から版本の印刷体へ。第6期ナショナリズム 19世紀後半、「明治維新」と言文一致体の創造。第7期ナショナリズム 1945年終戦、「新漢字・新仮名遣い」昭和言文一致体の開始。このように、日本語の歴史において、ナショナリズムと文体とは不思議な相関性を示す。本稿では、第1期ナショナリズムと文体の関係について述べる。『古事記(こじき)』は国体を誇示するものとして企図された、中国人に示すための歴史書であった。したがって、本文は漢文(中国語)で書かれればよかった。しかるに太安万侶(おおのやすまろ)は勘違いをし、日本人を想定読者としてしまい、漢文(中国語)の中に日本語をはめ込む漢語和語混交体、結果的に漢字だけを用いた「漢字仮名交じり文」を創造してしまった。