著者
西澤 常彦 稲員 とよの 小泉 明 渡辺 晴彦 荒井 康裕 森 正幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.II_143-II_150, 2011 (Released:2012-03-16)
参考文献数
11

管路更新計画における更新順序の決定では,管路単体の物理評価だけでなく管路ネットワーク構造における上下流関係を定量的に評価することが重要である.すなわち,ある管路上で発生した断水事故の影響は,まず,直近の仕切弁を閉じて作られる断水領域として生じ,次いでその影響が管路のネットワーク上の発生箇所によって異なる形で波及するといえる.そこで本研究では,管路ネットワーク上の仕切弁で閉じられる個々の断水領域を需要者ユニットと定義することにより,管路事故時における水供給への影響度を需要者ユニット間の相互関連構造から評価する方法を提案した.さらに,ケーススタディで,提案したネットワーク構造に基づく影響度評価を行うとともに管網解析の結果との整合性を確認することで本提案の有効性を示した.
著者
荒井 康裕 小泉 明 堀川 博哉 稲員 とよの Bambang BAKRI
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.III_337-III_344, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
15
被引用文献数
1

我が国の水道施設は, 人々の活動を支える社会基盤として欠かすことのできない存在である. しかし, 資源やエネルギーの大量投資に伴って環境負荷を与えている一面もある. さらに, 高度経済成長期に集中的に建設された施設の老朽化が進行し, 現在では大更新期といった難局面も迎えている. ライフラインとしての水道管路を今後も維持して行くためには, 可能な限り環境負荷の小さいシステムへ移行することが重要な検討課題の1つに挙げられる. 本論文では, 管路施設とポンプ施設から構成される水道管路システムに着目し, LCA(Life Cycle Assessment)の観点から, 建設, 運転, 維持管理, 更新の各々のプロセスにおけるCO2排出量の算定を行った. 車両輸送と管路輸送の比較により, 後者(管路)による水輸送の優位性を示した. さらに, 人口密度の大小, 管路配置形状の違い, 管路口径の大小がCO2排出量にどのような影響を及はすか多面的に明らかにした.