著者
西岡 和恵 小泉 明子 瀧田 祐子 佐々木 和実
出版者
一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
雑誌
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌 (ISSN:18820123)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-46, 2016-01-31 (Released:2016-04-28)
参考文献数
10

症例1:65歳,男性。冷感タオル接触の頚部から体幹前面に瘙痒性紅色皮疹。貼布試験結果からは冷感タオルに含まれていたメチルクロロイソチアゾリノン(以下MCI)によるアレルギー性接触皮膚炎で,メチルイソチアゾリノン(以下MI),オクチルイソチアゾリンオン(以下OIT)に交差感作なし。症例2:53歳,女性。4ヵ月前より顔面に瘙痒性紅色皮疹。貼布試験結果からは美容液マスクに含まれていたMIによるアレルギー性接触皮膚炎で,MCI,OITに交差感作あり。症例3:53歳,女性。3ヵ月前から顔面,頭部の瘙痒性紅色皮疹。皮膚炎軽快後,美容液マスクを使用し再発。パッチテスト結果からは美容液マスクに含まれていたMIによるアレルギー性接触皮膚炎でMCIに交差感作あり。症例4:60歳,女性。4ヵ月前より顔面に瘙痒性紅色皮疹。貼布試験結果からは美容液マスク,化粧水に含まれていたMIによるアレルギー性接触皮膚炎。
著者
小泉 明裕
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.105-111, 2003-04-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
15
被引用文献数
4 8

鮮新-更新統,加住礫層上部の泥層から大型のイヌ属,Canis(Xenocyon)falconeriの骨格化石が発掘された.化石包含層の上位層に挾まれる第2堀之内タフの年代が約1.6Maと推定されることなどから,本報告のイヌ属化石の年代は1.8Ma前後と考えられる.本骨格化石は広い範囲に分散した産出状態を示すが,1個体分のものと考えられる.臼歯の大きさは,現生種ハイイロオオカミCanis lupusの亜寒帯地域に生息する亜種の大きさに匹敵する.裂肉歯の形態は,上顎第1大臼歯のhypoconeがprotoconeよりも小さく,遠位側に位置し,下顎第1大臼歯のentoconidがhypoconidに比べてかなり小さいが,舌側に独立した咬頭で,hypoconidよりもやや近位にあり,中程度に純肉食性に特殊化している.また,上顎第4前臼歯は低冠歯で,protoconeが小さく,下顎第3大臼歯がある.このイヌ属化石の産出は,日本の鮮新-更新統から初めての記録であり,日本の鮮新-前期更新世の脊椎動物相の成立を検討する上で,重要な価値を持つものである.
著者
川上 憲人 原谷 隆史 金子 哲也 小泉 明
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.55-63, 1987-01-20
被引用文献数
25

電気関連部品の製造にかかわる2事業所の従業員3,987名を対象として,8種類の生活習慣とZung自己評価式抑うつ尺度による抑うつ症状との関連性を検討した.結果として3,160名(79.3%)から有効回答を得,年齢・婚姻状態・学歴の人口統計学的要因,職業関連要因,健康状態,経済的・時間的余裕の各種の交絡要因の影響を考慮した上で,男性では朝食を毎日とり,運動・飲酒の習慣があり,肥満度が-10%より上の場合に抑うつ得点が有意に低かった.女性では睡眠7〜8時間で,運動習慣があり,喫煙しない場合に同じく抑うつ得点が低かった.本研究で得られた関連性は,ただちに両者の因果関係を示すものではないが,これらの健康習慣が抑うつ症状の減少に役立っている可能性は高いように思われた.
著者
飯野 久和 青木 萌 重野 千奈美 西牟田 みち代 寺原 正樹 粂 晃智 水本 憲司 溝口 智奈弥 小泉 明子 竹田 麻理子 尾﨑 悟 佐々木 一 内田 勝幸 伊藤 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.171-184, 2013 (Released:2013-09-11)
参考文献数
44
被引用文献数
2 3

【目的】プロバイオティクスを添加していないブルガリアヨーグルトの整腸作用を調べるため,ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィズス菌増加作用をランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で評価する。【方法】女子学生62名をヨーグルト摂取群(ブルガリアヨーグルトを摂取する群)と酸乳摂取群(ヨーグルトと同じ乳成分からなる乳飲料に乳酸を加えてヨーグルトと同じpHとした酸性乳飲料を摂取する群)に分けた。両群ともに摂取前観察期(2週間),ブルガリアヨーグルトまたは酸乳を1日 100 ml摂取する摂取期(4週間:前半2週間,後半2週間),摂取後観察期(2週間)を設け,糞便中の腸内細菌叢の解析を2週間毎に行い,糞便中ビフィズス菌数を調べた。【結果】試験の除外対象者(過敏性腸症候群様の者,抗生剤の使用者等)および脱落者を除いた女子学生(ヨーグルト摂取群が20名,酸乳摂取群が25名)を評価対象として統計解析した。試験食品を4週間摂取した際の糞便中ビフィズス菌の生菌数は,酸乳摂取群に比較してヨーグルト摂取群が有意に高値となった。【結論】以上の結果より,ブルガリアヨーグルトの摂取によって糞便中ビフィズス菌数が増加し,腸内細菌叢が改善されることが示された。
著者
國實 誉治 小泉 明 荒井 康裕 稲員 とよの 石田 紀彦 藤川 和久 関田 匡延 村田 諒介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.III_425-III_434, 2019

<p> 本研究では,配水管網ネットワーク内での基幹管路である配水本管に着目して,水需要の経年変化を考慮した更新計画について分析を行った.管路更新後の配水ネットワークの冗長性を確保する目的で,供給点からの管路延長を基準とした3つの区分(上流,中流,下流)に分けて,給水に必要な配水小管上での有効水頭を確保できる縮径の組み合わせを検討した.更新の対象管路は非耐震継手管として,【更新優先度順】【布設年度順】【流量順】の3つの更新シナリオを設定し,配水小管上での最小有効水頭や更新工事費用,更新工事時の逆流の発生,ポンプ増減圧による電力費を指標として比較分析を行い,新たな配水管路の更新計画についてシナリオ分析を行った.この結果,配水本管の縮径更新に関する経済性や安定供給性を考慮した新たな知見を得ることができた.</p>
著者
長谷川 高平 荒井 康裕 小泉 明 寺井 達也 飯出 淳 篠永 通英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.II_109-II_120, 2017 (Released:2018-04-01)
参考文献数
33

老朽化や地震によって多発する送配水システムの断水事故などを背景に水道事業体は管路システムの冗長化を進めている.一方,送水管路は大口径で交通量の多い幹線道路に敷設される事が多く,人口減少に合わせて非開削で口径のダウンサイジングが行えるPipe In Pipe(PIP)工法が注目を集めている.しかし,PIP工法を用いて断水を伴わずに冗長化を達成する管路更新計画の策定手法はこれまで検討されてこなかった.そこで,本研究では老朽化した送水システムを仮想し,更新案として二重化と系統連絡という2つの冗長化案,その比較として単純更新案の3つを対象に費用対効果分析を行なった.結果として,(1)管路システム冗長化の主便益は断水事故低減にある,(2)現行の社会的割引率やPIP工法の単価では,B/Cで比較した場合の冗長化の優位性が確保できないものの,実勢の経済状況を反映した社会的割引率の引き下げによって冗長化の優位性が得られる,(3)特定の距離以内に浄水場が隣接する場合,その浄水場規模の余裕を用いることで断水を必要としない冗長化管路更新が有効になる,の3点を明らかにした.
著者
渡辺 俊三 田崎 博一 北條 敬 小泉 明 佐藤 時治郎 J. B. Baron F. Lhermitte
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.328-333, 1982 (Released:2006-08-11)
参考文献数
23

Musicians and nonmusicians were tested in the recognitions of four kinds of dichotically presented music stimuli : recorded tones, chords, rhythms and melodies. Nonmusicians were 18 subjects (A), who worked in fireman's agency in Paris, France, whose ages ranged from 18 to 28 years (average : 20.2 years) and whose years of musical experiences ranged from 0 to 5. Musicians were 8 students in musical college (Conservatoire national supérieur de Musique de Paris): 5 right-handed (B) and 3 left-handed persons (C), whose ages ranged from 18 to 25 years (average : 21.8 years), whose years of musical experiences ranged from 10 to 18 (average: 12.8 years).    1) In the tone test, the mean score for right and left ears were nearly the same for both A and B.    2) The chord test revealed a significant left ear superiority for A, and the tendency of the higher score in left ear was seen for B.    3) In the rhythm test, the score for the right ear had a tendency to be higher than the one for the left ear, both in A and B.    4) In the melody test, the score showed a tendency of left ear superiority for A, but the tendency of right ear superiority was seen for B.    Bever and Chiarello (1974) found a right ear reference in the detection of musical stimuli when they used musicians as subjects. Johnson made the dichotic listening task involving violin for musicians and nonmusicians. The musicians demonstrated a right ear superiority, while the nonmusicians performed better with the left ear. He interpreted that musicians mainly used the left hemisphere to process musical stimuli, while nonmusicians used the right hemisphere.    The results of Bever and Chiarello, and Johnson nearly agree with the results of our musical dichotic listening test for nonmusicians and musicians in France as well as the results of our former studies for pupils of chorus club in elementary school, stdents of philharmonic club in senior high school and students in musical college in Japan.
著者
菊地 英一 小泉 明正 荒西 康彦 森田 義郎
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.360-363, 1982
被引用文献数
2

鉄を触媒活性成分として含む, 一連のグラファイト層間化合物 (LCG) を用いて, 一酸化炭素の接触水素化反応を研究した。反応は固定床流通反応装置を用いて400&deg;C, 20atmの条件で行った。鉄LCG触媒は低級炭化水素の合成に活性があり, 二酸化炭素の生成が少なく, 一酸化炭素を有効に炭化水素に転化する2)。この反応における触媒活性中心は層間内の鉄であると考えられるが2), グラファイト表面に析出した鉄であるとの反論3)もある。著者ら4)は炭化水素合成に活性を示した鉄LCG触媒の磁化率測定を行って, 強磁性を示す鉄粒子が存在しないことを示し, 活性点はグラファイト層間にあることを主張した。<br>本報ではまず塩化第二鉄 (FeCl<sub>3</sub>)LCG触媒を水素還元して得た触媒の活性と選択性を比較して, 還元条件の影響を調べた (<b>Table 1</b>)。塩化第二鉄を還元すると主に塩化第一鉄 (FeCl<sub>2</sub>) に還元され, 一部は金属鉄まで還元される。還元温度の上昇,還元時間を長くすることにより層間内の塩化第一鉄の量が減少し, それにともなって活性が低下し, 生成物分布が低分子量側に移行することがわかった。塩化第一鉄はグラファイトの層間を広げ, 反応物や生成物の拡散を容易にするスペーサーとして作用することが示された。この結果は活性中心がグラファイトの層間に存在するとする著者らの結論を支持する。<br>グラファイトの層間に鉄以外の, もう一成分の金属塩化物を挿入したLCG触媒を調製して, その活性と選択性を調べた (<b>Table 2</b>)。調製方法は Croft5) の方法に準じた。まず第二成分の塩化物を400&deg;Cで挿入し, ついで塩化第二鉄を300&deg;Cで挿入した。塩化マンガンは生成物分布を高分子量側に移行するとともに, オレフィン生成を促進することが示された。他の添加物ではむしろメタンの占める割合が増加した。塩化マンガンのLCG自体は活性が低く, 硝酸マンガンを鉄LCGに担持しても効果がないことから, 塩化マンガンが効果を示すにはグラファイト層間に鉄と共存させることが必要であると結論された (<b>Table 3</b>)。鉄と塩化マンガンが共存したLCG触媒を高温還元すると, 活性は低下したが高分子量炭化水素の生成が抑制された。その結果生成物分布の幅が狭くなり, C<sub>2</sub>~C<sub>4</sub>炭化水素の合計は Schulz-Flory 分子量分布から予測される最大値 (55%) よりわずかではあるが大きくなった。
著者
菊地 英一 小泉 明正 荒西 康彦 森田 義郎
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.360-363, 1982-11-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

鉄を触媒活性成分として含む, 一連のグラファイト層間化合物 (LCG) を用いて, 一酸化炭素の接触水素化反応を研究した。反応は固定床流通反応装置を用いて400°C, 20atmの条件で行った。鉄LCG触媒は低級炭化水素の合成に活性があり, 二酸化炭素の生成が少なく, 一酸化炭素を有効に炭化水素に転化する2)。この反応における触媒活性中心は層間内の鉄であると考えられるが2), グラファイト表面に析出した鉄であるとの反論3)もある。著者ら4)は炭化水素合成に活性を示した鉄LCG触媒の磁化率測定を行って, 強磁性を示す鉄粒子が存在しないことを示し, 活性点はグラファイト層間にあることを主張した。本報ではまず塩化第二鉄 (FeCl3)LCG触媒を水素還元して得た触媒の活性と選択性を比較して, 還元条件の影響を調べた (Table 1)。塩化第二鉄を還元すると主に塩化第一鉄 (FeCl2) に還元され, 一部は金属鉄まで還元される。還元温度の上昇,還元時間を長くすることにより層間内の塩化第一鉄の量が減少し, それにともなって活性が低下し, 生成物分布が低分子量側に移行することがわかった。塩化第一鉄はグラファイトの層間を広げ, 反応物や生成物の拡散を容易にするスペーサーとして作用することが示された。この結果は活性中心がグラファイトの層間に存在するとする著者らの結論を支持する。グラファイトの層間に鉄以外の, もう一成分の金属塩化物を挿入したLCG触媒を調製して, その活性と選択性を調べた (Table 2)。調製方法は Croft5) の方法に準じた。まず第二成分の塩化物を400°Cで挿入し, ついで塩化第二鉄を300°Cで挿入した。塩化マンガンは生成物分布を高分子量側に移行するとともに, オレフィン生成を促進することが示された。他の添加物ではむしろメタンの占める割合が増加した。塩化マンガンのLCG自体は活性が低く, 硝酸マンガンを鉄LCGに担持しても効果がないことから, 塩化マンガンが効果を示すにはグラファイト層間に鉄と共存させることが必要であると結論された (Table 3)。鉄と塩化マンガンが共存したLCG触媒を高温還元すると, 活性は低下したが高分子量炭化水素の生成が抑制された。その結果生成物分布の幅が狭くなり, C2~C4炭化水素の合計は Schulz-Flory 分子量分布から予測される最大値 (55%) よりわずかではあるが大きくなった。
著者
菊地 英一 荒西 康彦 小泉 明正
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.76-85, 1980

The advances in the Fischer-Tropsch synthesis are reviewed from a viewpoint on the development of new type catalysts. The reaction mechanisms and kinetics are briefly described to lead the Schulz-Flory molecular weight distribution. The product distributions from metal-catalyzed synthesis and the carrier effect are discussed on the basis of the Schulz-Flory equation. Finally it describes the recent efforts to develop the new type catalyst which gives a peculiar selectivity for the specified product distribution.
著者
渡辺 俊三 豊嶋 秋彦 大場 昭一 飯塚 稔 植本 雅治 森山 成彬 小泉 明 一之瀬 正興 寺田 光徳 RICHARDOT Dominique 大西 守 浜田 秀伯 藤谷 興一
出版者
弘前大学
雑誌
弘前醫學 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.167-175, 1984-03

フランスP市の日本人小・中学校児童の外国文化への適応について検討を加えた.対象は日本人学校児童122名(男71,女51)であった.今回のアンケート調査は32項目よりなり,外国文化への適応の評価と印象,外国語能力の自己評価,日本とフランスの関係についての評価などよりなる. このアンケートを統計数理学的方法で検討を加えた.結果は,外国文化への適応の評価は概ね比較的良好であった. さらに,適応への重要な因子として,外国語の能力があげられ,外国語学習への積極的態度が観察された.
著者
長谷川 高平 荒井 康裕 小泉 明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.II_275-II_286, 2018 (Released:2019-03-29)
参考文献数
45
被引用文献数
3

水道管路資産の急速な老朽化と更新財源の逼迫を受け,長期に渡り発生するライフサイクルコスト(LCC)の最小化を目指すアセットマネジメントが多くの水道事業体で広まりつつある.これまで,水道管路システムを対象にLCCを最小化する管路更新計画モデルを用いた研究が数多く行われてきたが,人口減少下におけるポンプ圧送系に対する更新の考え方(ダウンサイジング等)は十分に確立されていない.そこで本研究では,更新時期と口径を整数で表現する遺伝的アルゴリズム(GA)を用いた管路更新計画モデルを提案し,人口減少下におけるポンプ圧送系の樹枝状送水システムにモデルを適用した.この結果,ポンプ運転費用を考慮した合理的な口径決定と同時に末端圧力の余裕を活用した積極的なダウンサイジングの立案が提案モデルによって可能となった.また,計画期間中における水需要のピーク(計画水量)から口径を決定することが設計規範として合理的であることが示され,人口減少下では更新時の水量から口径を決定することが有効であるということも明らかとなった.
著者
田村 聡志 木伏 明人 増子 知樹 稲員 とよの 小泉 明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.III_157-III_164, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
16

従来ステンレス給水管に使用され,現在も地中に多数残存している砲金製の継手等の腐食は,これまで漏水の原因の一つとなってきている.そこで本研究では,ステンレス鋼管と砲金継手等との間のガルバニック腐食の進行を,管対地電位を活用して評価した.まず,給水管や配水管の4種類の金属材料が6種類の土壌中で示す自然電位を実験室内で測定し,自然電位が時間の経過とともに大きく変動するものの,400日後には概ねステンレス鋼>砲金>鉛>ダクタイル鋳鉄の順となっていることを明らかにした.その上で,都内のほぼ全域において318栓のステンレス給水管を掘り上げて,管対地電位と最大腐食深さを測定し,管対地電位が高くなるほど砲金継手等の腐食割合が高まり,最大腐食深さも増大することを明らかにした.
著者
菊地 英一 荒西 康彦 小泉 明正
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.76-85, 1980-02-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
38

The advances in the Fischer-Tropsch synthesis are reviewed from a viewpoint on the development of new type catalysts. The reaction mechanisms and kinetics are briefly described to lead the Schulz-Flory molecular weight distribution. The product distributions from metal-catalyzed synthesis and the carrier effect are discussed on the basis of the Schulz-Flory equation. Finally it describes the recent efforts to develop the new type catalyst which gives a peculiar selectivity for the specified product distribution.