- 著者
-
小泉 桂一
奥 牧人
- 出版者
- 富山大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2017-07-18
昨年度までに、以下2つのメタボリックシンドロームマウスに関して、2種類の情報・数理学的な解析方法で「未病」状態を捉える試みを行った。1. メタボリックシンドローム自然発症マウスに対して、DNB解析を行うことで、「未病」状態のタイミングが5週齢で確認された。さらに、このDNB遺伝子は、約147個で構成されていることが明らかになった。今年度、この147個の遺伝子の関連性をGOおよびKEGG パスウェイにより解析した。その結果、GO解析では、炎症反応、免疫反応、細胞接着、ERK1/2カスケード、遊走の関与が、およびKEGG パスウェイ解析では、サイトカイン作用、神経活性化ライガンド作用、ケモカインシグナル、ファゴソーム、補体ー血液凝固系の関与が示唆された。さらに、漢方薬である防風通聖散がこのDNB遺伝子のゆらぎを低下させることも明らかとなった。2. 高脂肪食摂餌によるメタボリックシンドローム発症マウスに対して、超早期の発現変動遺伝子解析を行うことで、「未病」状態のタイミングが3日目で確認された。さらに、脂肪組織において酵素Xの発現が上昇していることが明らかになった。今年度、高脂肪食摂餌によるメタボリックシンドローム発症マウスに対して、酵素Xの阻害剤を投与したところ、顕著な抗肥満効果が確認できた。