著者
小泉 桂一 奥 牧人
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-07-18

昨年度までに、以下2つのメタボリックシンドロームマウスに関して、2種類の情報・数理学的な解析方法で「未病」状態を捉える試みを行った。1. メタボリックシンドローム自然発症マウスに対して、DNB解析を行うことで、「未病」状態のタイミングが5週齢で確認された。さらに、このDNB遺伝子は、約147個で構成されていることが明らかになった。今年度、この147個の遺伝子の関連性をGOおよびKEGG パスウェイにより解析した。その結果、GO解析では、炎症反応、免疫反応、細胞接着、ERK1/2カスケード、遊走の関与が、およびKEGG パスウェイ解析では、サイトカイン作用、神経活性化ライガンド作用、ケモカインシグナル、ファゴソーム、補体ー血液凝固系の関与が示唆された。さらに、漢方薬である防風通聖散がこのDNB遺伝子のゆらぎを低下させることも明らかとなった。2. 高脂肪食摂餌によるメタボリックシンドローム発症マウスに対して、超早期の発現変動遺伝子解析を行うことで、「未病」状態のタイミングが3日目で確認された。さらに、脂肪組織において酵素Xの発現が上昇していることが明らかになった。今年度、高脂肪食摂餌によるメタボリックシンドローム発症マウスに対して、酵素Xの阻害剤を投与したところ、顕著な抗肥満効果が確認できた。
著者
済木 育夫 中島 松一 村田 純 小泉 桂一 林 和子
出版者
富山大学
雑誌
和漢薬研究所年報
巻号頁・発行日
vol.28, pp.38-48, 2002-04-20

I.癌および癌転移の抑止に関する基礎的研究1)癌および癌転移の抑制物質の探索(伝統薬物を中心に)2)癌の悪性化・進展モデルの確立とその分子機序の解析3)癌ワクチンを指向した免疫遺伝療法の開発と免疫力増強物質の検索4)同所移植性転移モデルにおける転移の臓器特異(選択)性とその機序の解析5)細胞接着の制御に基づく浸潤・転移の抑制6)基底膜分解酵素の転写・産生・分解レベルでの阻害物質の探索II.免疫抑制に関する基礎的研究1)アレルギー性/炎症性疾患モデルの確立と有効物質(抑制/増強)の探索2)免疫応答調節機構解明と和漢薬への応用III.細胞の機能制御とシグナル伝達機構の解析1)自己分泌型運動抑制因子の単離・精製とその構造解析2)細胞運動と細胞内調節分子の関連性の解析3)神経ペプチドによる細胞浸潤の制御と細胞内機能分子の関与