著者
石原 昌信 玉城 健雄 平良 東紀 多和田 真吉 小波本 直忠 野崎 真敏 荒木 伸春
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.141-144, 2003-03-15
参考文献数
9
被引用文献数
1

パイナップル茎部の搾汁液画分がハブクラゲ(Sea Wasp, Habu-Kurage) <i>Chiropsalmus guadrigatus</i>毒素による溶血を阻害することが明らかになった.本抗溶血物質はパイナップル茎部の搾汁液からSephadex G-25, TLCおよびMiniQ PC32 2/3カラムを装着したにHPLCより均一に精製された.精製標品は260nm付近に吸収極大値を有し,14種類のアミノ酸から成るペプチドであった.パイナップル抗溶血物質はハブクラゲによる溶血を100&mu;g/mlで50%抑制した.
著者
小波本 直忠
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.405-411, 1977-11-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
17

セスジツチイナゴの角膜および円錐晶体を含む複眼の組織は280nmまでの近紫外線および可視光線を, 牛の眼のレンズは380nmまでの可視光線のみを透過した. このことから, 280~380nmの近紫外線は昆虫の視覚にとっては重要な意義を持っているが, 脊椎動物の視覚には無意味であることが明らかとなった. 昆虫眼の紫外線受容複合体のモデルとしてのレチニル-チアゾリジン-4-カルボン酸の光反応および暗反応から, L-システインおよびヒドロキシルアミンはレチナールとの暗反応により昆虫眼における近紫外線の機能に異常を起こすモデル物質であり, 一方, これらの化合物とレチナールから生成された近紫外線感受性複合体は光吸収および光化学反応により昆虫の眼の構造と機能に選択的害作用を及ぼすモデル物質であることが示された. なお, この選択性を新しい昆虫制御剤の作用機構に利用する可能性も提案された.