著者
多和田 真吉 福田 雅一 スアン トラン・ダン デバ ファラ
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science = 日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.40-43, 2008-02-20
被引用文献数
1 30

沖縄では二種類の熱帯植物,ギンネム(Leucaena leucocephala)およびゲットウ(Alpinia zerumbet)の総合利用に関する研究が展開されてきた.ギンネムはタンパク質含量が豊富で飼料としての高い可能性を有している.しかし,摂取すると動物に害をもたらすミモシン(β-[N-(3-hydroxy-4-pyridone)]-α-aminopropionic acid)が存在するために利用が制限されていた.無毒化酵素のミモシナーゼをギンネムの葉から精製し,アミノ酸配列を決定することをもとにcDNAのクローニングを行った.ゲットウからの精油製造と繊維単離の工程で生じる多量の残渣および残液が廃棄されている.新鮮なゲットウの葉もしくは根,そして残液から精油,dihydro-5,6-dehydrokawain,および有用な抗酸化抽出物を得る抽出方法を開発した.
著者
石原 昌信 玉城 健雄 平良 東紀 多和田 真吉 小波本 直忠 野崎 真敏 荒木 伸春
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.141-144, 2003-03-15
参考文献数
9
被引用文献数
1

パイナップル茎部の搾汁液画分がハブクラゲ(Sea Wasp, Habu-Kurage) <i>Chiropsalmus guadrigatus</i>毒素による溶血を阻害することが明らかになった.本抗溶血物質はパイナップル茎部の搾汁液からSephadex G-25, TLCおよびMiniQ PC32 2/3カラムを装着したにHPLCより均一に精製された.精製標品は260nm付近に吸収極大値を有し,14種類のアミノ酸から成るペプチドであった.パイナップル抗溶血物質はハブクラゲによる溶血を100&mu;g/mlで50%抑制した.
著者
本郷 富士弥 川島 由次 多和田 真吉 砂川 勝徳 諸見里 秀宰
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.51-57, 1987-12-05
被引用文献数
1

沖縄在来種およびジアイアントタイプとして知られている高木型系統のギンネム3品種(K-8,K-28,K-72a)の成分上の特性を知る一端として, 一般化学組成とミモシン含量を調査し, つぎのような結果を得た。茎葉部4品種の一般化学組成は, 乾物量26.1&acd;28.1%(平均27.5%), 粗たん白質22.1&acd;23.4%(平均22.7%), 粗脂肪4.6&acd;6.1%(平均5.7%), 粗灰分5.9&acd;7.3%(平均6.6%), 粗繊維14.3&acd;16.0%(平均15.0%)および可溶性無窒素物43.4&acd;51.7%(平均50.0%)の範囲にあり, 品種間で著しい差異は認められなかった。木質部と樹皮部4品種の一般化学組成は, 木質部の90%以上, また樹皮部の70%以上は, 炭水化物系物質で占められており, いずれの品種においても木質部は粗繊維が62.2&acd;63.2%(平均62.8%)の範囲, 樹皮部では可溶性無窒素物含量45.4&acd;57.1%(平均511%)の範囲にありそれぞれ最も高い値を示していた。各成分の木質部における品種間の著しい差異はみられなかったが, 樹皮部においては粗たん白質含量でK-28が16.6%と最も高い値を示した。ミモシンは, すべての部位に存在し, 4品種のミモシン含量の平均値は約3.3%であり, 品種の違いによる目立った差異は認められなかった。また, 生長の盛んな若葉に最も多く含まれており8.6&acd;9.4%(平均9.1%)の含量範囲にあった。しかし, 根部や木質部の含量は極めて低い値を示しそれぞれの平均値は0.1および0.4%程度であった。