著者
小滝 篤夫 古山 勝彦 井上 陽一
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.35-48, 2002
参考文献数
20
被引用文献数
5

京都府北部の福知山・綾部地域に分布する第四紀層中の火山灰層について,火山灰層序の確立を目的にして,野外での記載と鉱物記載・角閃石の化学組成の分析を行った.その結果,綾部地域で4地点の火山灰層を同一のものと認定して,物部火山灰層と命名した.この地域の火山灰層の給源火山として最も可能性が高い大山の火山灰層との対比を同様の方法で試みた.その結果,物部火山灰層と大山最下部火山灰層のhpm-1(230±70ka:木村ほか1999)が対比できる可能性が高い.また,福知山市の土師火山灰と大山下部火山灰層中のDNPが従来言われていたように対比できることがわかった.
著者
小滝 篤夫
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.17-24, 2004-03-25
参考文献数
9

田倉山火山は,スコリア丘と溶岩台地からなる.溶岩は下位から小倉・衣摺・田倉山溶岩の3種に区分され,スコリア丘は田倉山溶岩流出後に形成されたことがわかっている(田倉山団研1984).スコリアの風化が進んでいるため,スコリア丘の層序をスコリア中の重鉱物組成によって確立することは困難であったが,新たにスコリア中に残る鉄-チタン鉱物の化学組成の分析を行ない,田倉山溶岩とスコリア丘を構成するスコリア層を対比した.また,JR夜久野トンネル工事のボーリングコアや工事中の露頭から得た試料により,溶岩の基盤岩の形態を検討した結果,田倉山団研(1984)が述べた基盤岩の高まりは見られないことがわかった.