著者
辻 かおる 小澤 理香 高林 純示
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、(1)花形質の雌雄差の解明の研究を雌雄異株植物ヒサカキを用いて行い、匂いと蜜成分について新知見を得た。また、(2)送粉者の観察と行動実験から、送粉者の反応が雌雄の花で異なることが明らかになった。具体的には、匂いの主成分のイオン強度(匂いの強さ)に有意な雌雄差はなかったが、微量成分は雄花で多く放出されていた。一方、花蜜に含まれる糖の主成分の濃度は雌花で有意に高かった。さらに、送粉者を用いた行動実験では、送粉者の花での滞在時間は雄花より雌花で長くなっていた。これらの結果から、花の雌雄差とそれに対応する送粉者の行動が新たに明らかになった。